腰に電気が走るような痛みが起こる「ぎっくり腰」

ソファーを運ぶカップル

痛みが強い場合は体を起こすことさえ難しくなります

一般的に「ぎっくり腰」と呼ばれる、急性腰痛症。呼び名の通り、腰にギクッと瞬間的な痛みが走り、そのまま腰痛になることが多く、患者さんの中には「ビッと電気が走るような痛みだった」と表現する人もいます。

中には、子供を抱っこした後に感じた腰の違和感が、一晩で動けないほどの腰痛に発展したというケースも……。いずれにしても慢性腰痛とは異なり、瞬間的、または1日程度の短期間で非常に強い腰痛になるのが特徴。通勤できないほど痛みがひどくても、腰痛では休みづらい……と感じる方も多いでしょう。ぎっくり腰の原因と主な症状について解説します。

ぎっくり腰の原因は些細な動作も……

ぎっくり腰は非常に重たいものを持ったときなど、腰部を酷使したときに起こる病気ではありません。ちょっとした動作がきっかけで起こることも多々あります。
  • 荷物を持ち上げたとき
  • 朝の洗顔で前かがみになったとき
  • くしゃみをしたとき
上記のような日常的な動作でぎっくり腰になる場合、その時に腰部を支える機能が低下しているケースがほとんど。何らかの刺激で腰部を支える筋肉、関節、椎間板などを痛めてしまいます。

スポーツ選手も要注意! 腰の機能低下はなぜ起こる?

腰部を支える筋肉、関節、椎間板を損ねる原因としては、以下のようなものが考えられます。

■ 生活習慣による影響
座り仕事、立ち仕事、作業台に向かう細かい作業など、同じ姿勢でいる時間が長い場合、疲労する筋肉や負担がかかる部位に偏りが生じます。適度に運動する習慣がない場合は筋肉の血流も滞りやすくなり、腰を支える筋肉機能が低下するリスクが高まります。

■ スポーツによる影響
筋肉隆々だからといってぎっくり腰と無縁というわけではありません

筋肉隆々だからといってぎっくり腰と無縁というわけではありません

筋肉量が多いたくましい体の人でもぎっくり腰になります。「筋肉がしっかりしているなら、腰部も丈夫なのでは?」と不思議に思う人が多いのですが、運動後の筋疲労の残り方や筋肉の機能バランスが悪いと、逆に腰に負担がかかってしまうことがあるのです。運動前後の体操やストレッチなど、十分なケアが大切です。

■ 精神的ストレスの影響
スポーツの試合でプレッシャーが強い場合や難しい仕事に頭をひねりながら取り組んでいる場合など、精神的な負荷がかかる場面でも筋肉が緊張して血流が滞り、腰を支える筋肉機能が低下するリスクが高まります。心をリラックスさせることも大切。

■ 病気による影響
上記のケースとは異なり、別の病気が原因でぎっくり腰になるケースもあります。転移性骨腫瘍や椎体骨折など脊椎に問題がある場合のほか、急性膵炎や腎盂腎炎など内臓疾患が関連することがあります。心因性の腰痛でも強い痛みや悪化を繰り返すことも。

下記の症状がある時は、早めにかかりつけのお医者さんに相談するか、整形外科や内科を受診して下さい。放置しているとぎっくり腰を引き起こす病気が隠れている可能性があります。
  • 楽な姿勢がなく、いつも腰の痛みを感じる
  • 夜間、寝ている時も痛みで目が覚める
  • 発熱、冷汗が出る
  • 腰の痛みがどんどん増していく
  • 下肢のしびれや脱力感がある
  • 排尿、排便の異常がある

ぎっくり腰の症状があると「起きる・立つ・歩く」も困難に

くしゃみの瞬間に腰の痛みに襲われることもあります

くしゃみの瞬間に腰の痛みに襲われることもあります

ぎっくり腰になると、通常は意識せずにできる体を支える、姿勢を変える、歩くといった日常動作が困難になり、腰の存在や重要性をひしひし感じることになります。
  • 朝、体を起こそうと動かすと腰に強い痛みを感じる
  • 横になっていると比較的痛みは少ないが、寝返りをすると痛みが強くなる
  • 上半身を起こせない、または背すじを伸ばしたまま動けない
  • 一度イスに座ると、痛みのため立ち上がるのに時間がかかる
  • 咳やくしゃみが腰にひびいて痛む
  • 痛みのため歩くことができない
  • 痛みを和らげようとする姿勢になり、姿勢が歪んでしまう

ぎっくり腰で痛む部位……腰以外の背骨、骨盤付近も

痛みを感じる部位は人それぞれ。背骨に近い部分、背骨を挟んだ左右どちらかの筋肉、骨盤付近など、痛みが起きる部分は異なります。ぎっくり腰と一言でいっても、腰部は関節や靭帯、椎間板などの異なったパーツで構成されており、痛めている部位によって痛みの感じ方などにも違いが表れる場合があります。

いずれの場合も痛みが軽度なら、動きに伴って痛みを感じるもののゆっくりした日常生活動作は可能。腰痛用のベルトやコルセットを装着することで、なんとか動くことができるという人もいます。痛みや原因に応じて、正しい処置をしていくことが大切なのです。
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