座っていると腰が疲労するのはなぜ?
無意識に腰をトントン……腰の疲れは大丈夫ですか?
椅子に座っていると、体が疲れずラクなイメージがありますが、腰痛など腰の不調がデスクワークの人に多いのも事実。座り姿勢は足の筋肉疲労を軽減してくれますが、腰への負担を強めてしまう傾向にあります。
仕事に集中している間は異変に気付かなくても、連日のデスクワークで徐々に疲労が溜まっていくもの。仕事の間に腰をトントン叩きたくなったり、背スジを伸ばしたくなったりと、ふと腰部の疲労に気づくことは多い者です。
良い姿勢では座っていられない
デスクワークの際に、背スジをピンと伸ばしたまま、いわゆる「良い姿勢」で過ごすことは、とても難しいと思います。「良い姿勢」を保ち続けるということは、背スジを伸ばすために背中の筋肉を働かせ続けることになり、10分間続けることさえ困難です。
腰の筋肉を働かせ続けないリラックスした姿勢というのが、「悪い姿勢」と言われる猫背姿勢になります。腰~背中が丸くカーブした状態です。この時、背中側の筋肉がリラックスした分、腰椎を支える靭帯や椎間板への負荷が強まってしまうため、この状態が長時間・連日続くことで、腰痛を引起すことに繋がる恐れがあるのです。
腰の負担を緩和させるには?
猫背姿勢で腰~背中の筋肉がリラックスする、というと筋肉にとっては良いことのように感じるかもしれませんが、そうではありません。座りっぱなしで動きの無い腰~背中の筋肉は、血流が悪くなり硬く緊張してしまうことになります。
こうした筋肉への負担も和らげ、腰椎への負荷も軽減されるには、デスクワークの途中で、少しでも腰部を動かすことが必要です。時間が無かったり、オフィスで目立ってしまうという理由で、なかなか体操が出来ない方へオススメの体操をご紹介しましょう。
腰の負担を減らすデスクワーク体操
普段は姿勢がいい人でも、モニターを見るうちについ猫背姿勢になりがち……
ほとんどの方が、パソコンなどのデスクワーク時に、左のような姿勢になっていると思います。
このような姿勢が長く続いたと感じたら、以下の体操を実践してみましょう。
1. 左右の手をお腹の前に
左右の手をお腹の前に
おへそとみぞおち部分に、左右の手が平行になるように当てます。
(「2」の動きをわかりやすくするためのものなので、慣れてきたらこの動作は飛ばして大丈夫
です。)
ポイントは腰をそらせないよう、注意すること
頭部を天井方向へ引上げる意識で、少し背スジを伸ばした姿勢にしておきます。腰を反らせないように注意して下さい。
2.腹筋に力を入れる
左右の手がぐっと近づく感じを意識して
腹筋に上手に力が入ると、意識的に腰を丸めなくても、左右の手の位置が近付きます
腰を丸めず、おへそを覗き込むように
腰を丸めようとせずに、おへそを覗き込むようにするのがポイントです。
「1」「2」の動きを数回繰り返すと、腰部の筋肉にも刺激が入り、負担が一時的に軽減されます。デスクワークの人は1日に行う回数を増やすとなお効果的! 可能であれば、席を立って歩いたり、大きく腰を動かしたりすることでも、座り姿勢による腰の負担を軽減してくれます。
■撮影協力
株式会社ナナオ EIZOガレリア銀座
デジタルヘルスセンター