タバコが止められないのは心理行動的依存と身体的依存が原因
今度こそ!と思っていたのに、また吸ってしまった……。心理的にも身体的にも依存しやすい喫煙習慣を意志の力だけで断つのは困難です
どんな習慣であれ、一度身についた習慣は止められないものです。その中でも特にタバコ、すなわち喫煙習慣を止めるのは大変です。タバコ依存には、いわば気持ち的な癖としての「心理的依存」と、ニコチンという薬物に対する「依存」の2つが同時に生じているのが特徴だからです。
夜お酒を飲みに行くと、何となくタバコが口にあると落ち着くというのは心理的な依存。朝、起床時や長時間の飛行機での移動後に、何はなくてもまずタバコ、というのは薬物依存としての身体的依存と言えます。冗談交じりで「あー、ニコチンが切れてきた」と笑いながらタバコを吸っておられる方もいらっしゃいますね。身体的な依存の場合には、いわば「薬物」、タバコの場合には「ニコチン」の血中濃度が下がっていく時に見られる禁断症状が見られます。
タバコをやめようとしたときには、こういったタバコが持つ特徴を知り、その対応策を講じることが大切です。
タバコへの依存度セルフチェック法
ニコチンへの依存度が強いかどうかは、2つの簡単な質問だけで概ね見分けることができます。- 朝、起きてから1本目が5分以内かどうか
- 1日の喫煙本数が20本以上がどうか
禁煙による主な禁断症状……イライラや眠気、頭痛など
禁煙中の主な禁断症としては、次のようなものが挙げられます。- イライラする、じりじりする
- なんとなく落ち着かない
- 口さびしい
- 眠い
- 頭がぼんやりする・すっきりしない
- 頭痛がする
禁煙による禁断症状への対策法・対処法
1. 心理的依存への対策法口さびしさや手持無沙汰などの心理的依存の症状には、気分転換や気を紛らわせる行動が有効。たとえば、症状を感じた時に居場所を変えてみる、うろうろしてみる、熱いお茶を飲む、歯磨きをするなどのちょっとしたことでも有効です。飴やガムなども効果がある場合もあります。
また、「吸いたくなったら○○する」という風に、タバコを吸う代わりに行う行動を決めておくこともよいでしょう。専門的な言葉では、「代償行動」と言います。腕をグルグル回しながらそのあたりを歩き回るとラクになるという方もいらっしゃいました。
2. 身体的依存への対策法
眠けや頭痛などの身体的依存の症状は、ニコチンの血中濃度が落ちてきたために感じる禁断症状(離脱症状)です。ニコチンへの依存性や、ニコチンが体内で代謝(分解)されるスピードには個人差がありますが、依存性が強かったり代謝スピードが速かったりすると、離脱症状が強く出て禁煙がうまくいかないことが多いです。
ニコチンへの依存度が高い場合には、禁断症状を抑える飲み薬を使うか、タバコの代わりにニコチンを補いながら、徐々に減らしていく方法が一般的。薬局でも買えるニコチンガムや、医師から処方してもらえるニコチンパッチ(貼り薬)が有効です。
ニコチン依存度が高いと感じられる方や、今までに禁煙に失敗してきた方は、薬物治療を行うことがポイントでしょう。
禁煙にまず必要なことは、やめようかなぁ、とあなた自身が思うことです。そういった意味では、この記事をご覧になっていることは大きな一歩です。タバコのない新しい生活を始められることを、ぜひ決断して下さい。