ストレス/その他のストレス

シンプルにこだわるとストレスが増す!?

近年「シンプル」が流行です。しかし、シンプル・スタイルにこだわりすぎると、思わぬストレスを呼びかねません。シンプル・スタイルと心の問題について考えました。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

「シンプル流行り」に流されていないか?

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あなたが選んだ「シンプル・スタイル」に、思想はあるか?
近頃、住宅からファッションにいたるまで、シンプルが流行しています。

「シンプル・スタイル」を選ぶことは、華美や無駄、どうでもいい部分をそぎ落とし、自分にとって本当に必要な機能や形、ライフスタイルなどを追求することです。これは同時に、「自分に必要なのは、もうこれだけ」と、心の中で一線を引くことでもあります。

これは、ある意味で「達観」を意味します。この潔さが、知的でかっこいい印象を与え、「ワンランク上」で「おしゃれ」に見えるのです。

しかし、安易にシンプル・スタイルを取り入れてしまうと、思わぬストレスを呼び込むことにもなりかねません。


シンプルにしばられたファミリー住宅の悲劇とは?

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シンプル・スタイルにこだわりすぎた住まいは、窮屈なだけ
たとえば、シンプルをテーマとした流行のファミリー住宅を例に挙げてみましょう。

住宅の基本カラーは白で、ファブリックはモノトーンを基調。調度品もカラーを合わせ、高級なものを少しだけ配置して、空間をすっきり見せる。

食器や日用品も、ブランドやカラーをなるべく統一させる。「生活感」が見えないような空間にするため、おもちゃなど雑多なものはリビングに持ち込まない。チリや手垢ひとつなく、すべてが整然と片付けられている。・・・・・・こんなところが、最近流行の「おしゃれでシンプルな家づくり」の典型例でしょう。

たしかにこうした家は、洗練された印象を受けます。しかし、「シンプル」にしばられて、「~しちゃいけない」「こうでなくちゃならない」と、住まいを窮屈なものにしているケースもたくさん見受けられます。

ファミリーで生活する以上、家は「生活感」や家族全員の個性が感じられてこそ、家なのです。生活雑貨や子どものおもちゃ、お父さんの趣味用品など、雑多なものが混在していても、なんとなく居心地がいい、和める空間が家です。

しかし、シンプルという理想ばかりを追って、制限を加え続けていると、羽を伸ばせる雰囲気がなくなります。あなたの暮らす空間はどうでしょうか?


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