食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

節分のイワシで、体も厄払い!

節分と言えば「魔除け・厄よけ」に、柊の小枝に焼いた鰯の頭を戸口や門にさしておく風習があります。鰯を寒い季節に食べることは、体の厄除け、つまり健康づくりにも役立ちます。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

間もなく節分ですね。節分と言えば豆まきや恵方巻きのお寿司いただくことが多いと思いますが、「魔除け・厄よけ」として、柊の小枝に焼いた鰯の頭を戸口や門にさしておく風習があります。この柊は、葉のとげが鬼の芽を刺す、そして鰯の臭いで、鬼(災い)を追い払うという意味が込められています。寒い季節に鰯を食べることは、体の厄除け、つまり健康づくりにも役立ちます。

冬の健康づくりに役立つEPA・DHA

節分の厄払いにつきものの鰯は、冬の健康づくりにも役立ちます。

節分の厄払いにつきものの鰯は、冬の健康づくりにも役立ちます。

鰯には、マイワシやカタクチイワシ、ウルメイワシ等の種類があり、また近海性回遊魚ですから、時期をずらしながら全国の沿岸で水揚げされます。ということで旬は、地域によって様々ですが、秋から冬にかけてとれる鰯は脂がのってEPAやDHAが多くなります。

漢方や食養生では、鰯は血の巡りをよくして気力を高める食べ物と伝えられてきましたが、栄養面から見ても、EPAやDHAは、血液の流れをよくしてコレステロールや中性脂肪を低下させるなど脂質異常症や動脈硬化症予防に役立つと言われています。またDHAは脳細胞を活性化する働きがあると言われています。特に寒い時期に起りやすいと言われる冬季うつ病にも役立つと考えられています。
他にもEPA・DHAは炎症やアレルギー症状を抑える、中性脂肪を低下させるというような研究報告もありますが、鰯を具体的にどれだけの量を摂取したらよいかということまでは明らかではありません
。過剰に期待して偏った食べ方等はしないようにしましょう。

鰯の栄養成分を活かす食べ方

EPAやDHAは酸化しやすいのも特徴です。焼いたり、揚げたり、煮ることで脂肪が落ちるため、鮮度のよいものなら、刺身やたたき、マリネ等の生食がおすすめです。薬味のショウガは、臭みや脂っぽさを抑えてくれます。
また小鰯なら小骨等も食べやすく、カルシウム吸収を促すビタミンDも多く含まれているので、カルシウム補給に役立ちます。梅干煮や南蛮漬けにすると、酸によって骨を柔らかくして食べやすくなります。

要するに、様々な栄養素や成分を活かすには、生や加熱、いろいろな食べ方でおいしくいただくことです。
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