プロジェクトから広がる人の環
南 現在「MOTプロジェクト」で生まれた商品は、どんなものがあるのですか?澤田 氷見はとむぎ茶などの飲料や、五郎島金時プリン、塩アイスクリーム、梅ジャム&ホイップ、海鮮いしる炒飯等、特に飲料やデザート系の商品はたいへんよく売れました。お客様も、地元への愛着で、商品を選んでくださるようです。
MOTな洋食屋さん 530円 |
またもうひとつおもしろい試みがあるんです。地元の星陵女子短期大学では、「知識は教室だけでは身に付かない」、という考えから経済学のプログラムとして、学生たちが畑仕事から、加工、流通、消費の流れを体験し、ビジネスを体系的に学んでいます。来年には、この野菜を使ったカレー弁当を開発する予定です。
南 このプロジェクトで、様々な人の動きにつながっていますね。
「地産地消」から「地産外消」へ
南 今後の目標について教えてください。澤田 まず「地産地消」運動は、流行であってはならないので、絶対に継続すること。今はやっと、北陸の「どの地域で、いつ、何が入手できるか」を把握できるようになったステージだと思っています。次が商品計画を実施するステージ、そしてその次はよりスムーズに運営する為に管理する体制を作るステージと考えます。
また近い将来、サークルKサンクスの他の地区でも「MOTプロジェクト」が始まる予定です。もちろん地元の食べ物を地元で消費するのは大切なことですが、各地区がお互いに足りないものを補い合い、助け合う流れとして、「地産地消」から「地産外消」へとステージが移って行く、というのも自然な流れだろうと思います。
北陸MOTプロジェクトは、北陸地区でのスタイルであり、他の地区ではうまくいくかはわかりません。その地域の特性に応じたスタイルでプロジェクトを推進していくべきで、それができてこそ私たちコンビニエンスストアが地域に社会と共生することになると思います。
南 澤田さんが、大きな覚悟をもって地域の方々と取り組んでおられることがよくわかりました。必ずこのプロジェクトは大きな実りにつながると思いますし、応援していますので頑張ってください。今日は、お忙しいなかをお時間をいただき、ありがとうございました。
様々な人がかかわって生まれた「MOTプロジェクト」の商品が店頭に並ぶ時、どれだけ多くの人が喜び、笑顔になることでしょう。それを理解した消費者は、きっと大切にいただくことでしょう。そんなお互いを思いあえるやさしい心が日本中につながっていくように、私たちも日々の暮らしの中で心がけていきたいと思います。