イソフラボンが乳がん発生率を低下させるワケ
では、なぜエストロゲンに似ている構造のイソフラボンが、乳がん発生率を下げるのでしょうか。
少し細かい話になりますが、イソフラボンが「弱いエストロゲン」だということが一つのポイント。体内活性という体の中での働きを示す指標は、本物のエストロゲンの1000分の1以下程度とも言われています。
つまり、体のなかにエストロゲンが過剰にあるときは、イソフラボンが過剰なエストロゲンの邪魔をしてその働きを弱めてくれ、逆にエストロゲンが体内に少ない時はその代わりをしてくれることで、体の中のホルモンバランスを取ってくれると考えれられるのです。
表示されている大豆イソフラボンは2種類
少し余談になりますが、同じように「大豆イソフラボン」と表示されていても、大きく分けて「糖がくっついたタイプ」と「くっついていないタイプ」の2種類に分けられます。体に吸収されるのは「くっついていないタイプ」で、正確には「大豆イソフラボンアグリコン」といいます。
「○○mg配合」と表記がある場合は、たいてい「大豆イソフラボンアグリゴン」の量のこと。「大豆イソフラボン」の場合は、0.625をかけると、大豆イソフラボンアグリゴンの量に換算することができます。つまり、大豆イソフラボン10mgは、大豆イソフラボンアグリコンとしては6.25mgということなので、気をつけてみてくださいね。
大豆イソフラボンに1日の制限量や過剰摂取リスクはあるの?
厚生労働省(平成18年)によれば、大豆イソフラボン(アグリゴン換算で)の上限値は、食事から取られるものを含めると1日あたり70~75mg、食事以外からの特定保健用食品としては30mgくらいまで、となっています。
いくら働きが弱いとはいえ、過剰摂取することで子宮内膜症が増えたり、月経周期に影響が出ると考えられているので、あくまでもほどほどに。
食品の目安で言うと、大豆イソフラボン含有量は豆腐一丁(300g)60mg、お味噌汁一杯(味噌12gとして)6mg、納豆1パック(50g)37mg、豆乳一本(200ml)で50mg、黄な粉大さじ一杯(5g)で14mgになります。