2月12日、石川県にある「グループホームたかまつ」で入所しているお年寄りが、介護職員に殺害される事件が起こりました。新聞、テレビなどで事件を知り、ショックを受けた方も多いのではないでしょうか。
いったい、なぜこのようないたましい出来事が起こったのか――グループホームを取り巻く現状を見てみることにしましょう。



石川県かほく市中沼の「グループホームたかまつ」で、28歳の介護職員がお年寄りに暴行を加えて火傷させ、殺害する事件が起こりました。容疑者は、お年寄りが寒がっていたので自室の石油ファンヒーター前に座らせてあげた後、トラブルになったことから、突発的にヒーターを服の上から体に押し付け、殺したそう。事件後、容疑者は浴室で睡眠薬を多量に服薬し、自殺を図りましたが、未遂に終わっています。


そもそもグループホームとは


グループホームとは、認知症(痴呆)のお年寄りが、少人数グループ(5~9人)で共同生活できる、小規模な共同住居。食事の支度や掃除、洗濯などをスタッフともに共同で行い、落ち着いた生活を送ることにより、痴呆症状の進行を穏やかにします。 グループホームと他ホームの比較につてもご参照ください。

大勢のお年寄りが入居している施設と違い、家庭的な雰囲気が味わえるのが特徴。2000年の介護保険がスタート時には全国で約270施設しかありませんでしたが、あっというまに急増し、現在では3000以上に。「認知症(痴呆)介護の切り札」と呼ばれていますが、一方では、「密室の介護」になりがちとする指摘も少なくありませんでした。

手薄になりがちな夜間


グループホームの職員配置は、国の基準によると「夜間は1人以上(2ユニットまで一人体制でOK)日中は利用者3人に対して1人以上」。かつては、夜間は宿直でもよしとしていましたが、夜、徘徊するお年寄りが少なくないことから、2003年より夜勤ケアに対する介護報酬の加算が設けられることとなったのです。

しかし、実際には1人で2ユニットのケアをおこなうのは至難の業。約20人ものお年寄りを寝ずに看るのは並大抵のことではないに違いありません。なかには暴れたり叫んだりする人もいることでしょう。急な体調不良を起こすケースも考えられます。つまり、「1人夜勤体制」は、現実的にムリがあるのです。とはいえ、グループホームは小規模事業主が経営する場合が多く、人員を増やせば、事業が行き詰まりかねません。

ちなみに、新聞報道によれば、容疑者は週3回、午後5時半から翌日午前8時半まで宿直し、午後8時以降は翌日早朝まで一人勤務だったといいます。入所者は全部で12人でした。

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