報われない介護職員


こうした負担にくらべ、グループホームの職員の給与はけっして高くはありません。介護事業経営実態調査(平成14年厚生労働省)によれば、国家資格を持つ、介護福祉士の場合で平均給与は20万4000円。その他の介護職員は17万8000円となっています。また、非常勤の場合、その他の介護職員の給与は8万5000円。容疑者は、ヘルパー2級を取得したばかりのパート職員。同年代の男性の平均月収24万700円(厚生労働省平成15年「賃金構造基本統計調査」)に比べ、恵まれていたとはいえなかったのではないでしょうか。



小集団でつねに同じ人と顔を合わせていれば、人間関係上のトラブルも起こりやすくなり、人によってストレスをためこむことも考えられます。しかも認知症を抱えると、被害妄想から攻撃的な言動が見られることも…。精神的な苦痛に耐えられず、離職したり、心のバランスを崩したりする職員も少なくないといいます。厚生労働省大臣官房統計情報部の調査によると、9大産業の事業所における平均離職率が16.6%なのに対して、介護業界では22.1%。

容疑者は「介護の仕事をしたい」という思いからこの仕事に就いたそうですが、事件後、「仕事を続けるうちに自分の思いと現実のギャップを感じるようになり、爆発した」と供述。同じような矛盾に苦しめられ、ストレスから大小の虐待に走るグループホーム職員はほかにも大勢いるに違いありません。

どんなグループホームが安心できる?


事件そのものは許されることではありませんが、理想的なケアがおこなえるはずのグループホームで、見過ごすことのできない問題が広がっているのは事実。利用者の家族としては、こうした点を踏まえたうえで、しっかりと施設選びをしなくてはなりません。

入所する前には必ず見学し、入所者の表情や、施設の雰囲気を確かめておきたいものです。また、職員から「余裕のなさ」「せわしなくトゲトゲした言動」が感じ取れるようであれば、入所は思い切って見送ったほうがよいかもしれません。

また、施設選びのひとつの材料となるのが、グループホームの第三者評価。各施設のサービスの質について、各都道府県が選定した評価機関などが評価をおこなっています。評価結果は、下のURLから閲覧できるので、ぜひ参考にしてみてください。

評価結果が公開されているグループホーム


お年寄りにとって「人間らしい普通の暮らし」を実現できるはずの、グループホーム。より安心して利用できる場所になるよう、利用者側としても働きかけてゆきたいものですね。

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