介護施設・老人ホーム/介護施設・老人ホームの選び方・費用

なぜ起こる?たらい回し現象 老健を出て、そして・・・(2ページ目)

「老人保健施設」は本来、自宅復帰のためのリハビリ施設。でも実態は特養待ち機関と化している部分も。施設から施設へとたらい回しにならないよう、注意点を挙げました。

執筆者:西川 敦子

その場しのぎ入居は
後々、トラブルの原因に

短期間の滞在の間にリハビリをしっかりおこなってもらえるのか、それとも長期間の利用が可能なのか。入所する前に、その施設の方針をしっかり確かめておくべきです」と語るのは山梨県にある老人保健施設の職員Bさん。そのときになって困らないためにも、事前に施設側やケアマネージャーさんとしっかり打ち合わせ、短期型か長期型かを見極める必要があります。


そのうえで希望に添った老健かどうかをチェック。いずれ在宅で介護しなくてはならないなら、在宅復帰に向けて生活面でのリハビリをおこなってくれる施設かどうか――たとえば「ユニットケアを導入しているかどうか――などを確かめます。また、退所後、在宅介護することになっても困らないよう、デイケアやショートステイ、リハビリ施設、医療機関など多機能な併設施設がある老健を選ぶ、という手もあります。とにかく、後々困ったケースに陥りがちなのが、その場しのぎ的な入居。一時の都合に惑わされず、長期的な介護計画をたててから施設を決めたいもの。長期入所が可能なら、いつぐらいまで滞在可能なのかもしっかり聞いておき、その後どうするのかについても考えておくようにしたほうが無難です。


もちろん、施設側も家族の困惑をよそに、無理やり退所させることはありません。退所時期については、入所の際にあらかじめはっきりさせておくのが基本ルール。その時期が迫ってくると、医師、看護師、介護福祉士、ケースワーカーたちが会議を開き、本人の心身状態を考慮したうえで在宅介護が可能かどうかを検討します。当然、判定には受け入れ家族の状態も関わることになります。とはいっても、受け入れ家族がいない、介護役は年老いた伴侶のみ――といった、あきらかに在宅介護が難しいケースならいざしらず、微妙な家庭問題まで施設側がうかがい知ろうはずはありません。
「そのほかの理由で在宅介護が難しいのであれば、事前に伝えておく必要があります。日頃、家族会や行事に参加するなど、施設側とコミュニケーションをとっておくようにしてもよいでしょう」(ケアマネージャーAさん)。


突然、病気になったり、痴呆症状があらわれたり――お年寄りの健康状態はいつ一変するかわかりません。ともすれば、すわ、一大事!ということで、あわてて入所先探しをする羽目になりがち。そこはいったん、冷静になって今後のことをよくケアマネージャーさんと相談のうえ、施設選びをしましょう。「うちはまだまだ元気」という場合は、今のうちからしっかり計画を立てておくとよいですよ。

老人保健施設を選ぶ前に・・・
1. 長期的な介護計画を立てる
2. 長期滞在型か短期リハビリ型をしっかりチェック
3. 退所時期を確認
4. リハビリ内容をチェック
5. 複合施設かどうかなどをチェック
6. 家族会や行事などに参加するなど、施設とのコミュニケーションを密に
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