介護/訪問介護・デイサービス・ショートステイ

コムスンの不正は、なぜ起きたのか?

最大手のコムスンが組織的に起こした不正。このような不正はなぜ起きてしまったのか?私なりの考えをもとに解説いたします。

執筆者:西川 敦子

文章:川内 潤(All About「介護」旧ガイド)

コムスンの老人ホーム
豪華な門構えでも中身が伴っていないことも
今も連日報道される「コムスン問題」。『知らずに騙される前に!コムスン問題の実態』では、今回の事件についてわかりやすく解説いたしました。こちらの記事では、そもそもなぜコムスン問題が起こってしまったのか、解説していきたいと思います。

まずは利益を優先

数年前、私はコムスンが運営しているある老人ホームを取材したことがあります。施設全体を見学した後、施設長さんとホームの昼食を食べさせていただきながら、お話を伺いました。その施設長さんは、少し疲れている様子で普段はいえない愚痴を言うように、私にいろいろ話していただけました。

「ここの施設では、まずお客さんをつけてから(満室にしてから)中身を埋めていくという体質だ」

とこぼしていました。つまり入居一時金という大きな利益を上げてからでないと、スタッフの教育や人員の安定には取り組めない、という考え方が組織全体に横行していたのではないか、と私は考えました。今回の事件と照らし合わせてみると、同じく強引な事業の進め方というものを感じ取ってしまいます。本当は勤務していないスタッフの名前を使って介護事業所としての認定を取得するという、まずはお客さんがついて利益があがってから出ないと人員補充もできない、という体質があったのではないかと思います。
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