文章:川内 潤(All About「介護」旧ガイド)
豪華な門構えでも中身が伴っていないことも |
まずは利益を優先
数年前、私はコムスンが運営しているある老人ホームを取材したことがあります。施設全体を見学した後、施設長さんとホームの昼食を食べさせていただきながら、お話を伺いました。その施設長さんは、少し疲れている様子で普段はいえない愚痴を言うように、私にいろいろ話していただけました。「ここの施設では、まずお客さんをつけてから(満室にしてから)中身を埋めていくという体質だ」
とこぼしていました。つまり入居一時金という大きな利益を上げてからでないと、スタッフの教育や人員の安定には取り組めない、という考え方が組織全体に横行していたのではないか、と私は考えました。今回の事件と照らし合わせてみると、同じく強引な事業の進め方というものを感じ取ってしまいます。本当は勤務していないスタッフの名前を使って介護事業所としての認定を取得するという、まずはお客さんがついて利益があがってから出ないと人員補充もできない、という体質があったのではないかと思います。