老老介護を避けるために地域連携室を活用
曇天模様、医療の先行きも心細い……?! |
また、仮に転院できる病院が見つかったとしても1~2ヶ月待ちという病院や施設も多く(半年以上ということもザラです。現実的なことを言えば、その病院に入院している他の患者さんが亡くなられなければベッドが空かないということもあるのです)、その間は自宅で入院待機となり、やむを得ず家族が介護しながら入院を待つということもあります。Aさんも紹介されたC病院からはすぐには転院できないという返事があり、自宅退院せざるを得ない状況となりました。
(※)地域連携室は主に救急医療を行う総合病院で備えられていることが多いのですが、必ずあるという訳ではありません。地域連携室の有無に関わらず、病棟スタッフ(特に病棟看護師長クラス)が転院先についての相談を行っていることが多いですので、困ったときには迷わず相談してください。ただし、救急病院の医師は転勤が多いため、残念ながら地域の病院を探すのには不慣れなところがあります。
転院できない……誰が介護する?
遠方に住む2人の子供たちは仕事の都合、あるいは受験を控えたAさんのお孫さんが通う中・高等学校のことを考えると、Aさんを引き取ることは難しいように思いました。家族の間で話し合った結果、訪問看護を利用しながら70代後半の奥さんが自宅で介護をすると決心されました。ところが、Aさんはその矢先に肺炎を併発し、肺炎の治療が完了するまでの間は退院が猶予されました。治療終了を待っていたところ、療養型病床を有する病院に偶然空室ができたためそのまま転院となりました。
結果的にはAさんは自宅に帰ることなく入院継続となったのですが、状況的には年老いた奥さんがAさんの介護を余儀なくされるところでした。また、Aさんのように転院先を見つけることができず、やむを得ず高齢者が高齢者の介護をするというご家庭もすでに数多く存在しています。そして悲しいことに、今後ますますこうした病院は増えると予測されます。その理由を次のページでご説明します。
次のページでは療養型病床の削減についてご説明します。