漢方・漢方薬/漢方の基礎知識・体質チェック

漢方薬で腎障害 漢方薬なら安心かしら?(2ページ目)

漢方薬ってとっても安全という気がしていたのですが、漢方薬にも副作用があるってききました。ホントですか?というご質問にお答えします。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

女性ならではのちょっとしたお悩みに対してガイドがお答えします。Q.漢方薬ってとっても安全という気がしていたのですが、漢方薬にも副作用があるってききました。ホントですか?


『広防巳』で腎障害

アリストリキア酸

最近、『広防已』(現代中国漢字では『广防己』)という生薬が間違って、『漢防已』として国内にはいってきて、『日本薬局方ボウイ』として用いられて腎障害を引き起こしているというニュースがありました。・・・・ややこしいですね。

まず、ポイントは
=『広防已』(『广防己』)と『防已』=
『広防已』(現代中国漢字では『广防己』)と『防已』、とっても似ていますが、この二つは全く違うものです。

『広防已』は、アリストロキア酸という物質を含み、これは植物由来の成分なのですが、腎障害を引き起こします。(アリストロキア腎症,海外ではchinese herb nephropathy:CHNといいます。そのままですね。)ちなみにこれは日本では未承認です。
『防已』はオオツヅラフジ科の植物を原料とします。アリストロキア酸は含まず利尿、鎮痛等に使われます。これはちゃんと日本でも認められています。

でも、中国などでは利尿作用などの薬効が顕著なので『广防己』が使われていることがあり、その上『防己』とかいてあってもじつはこれが略称で、実際に『广防己』が使われていることもあるよう。くれぐれもご注意を!


=『漢方薬』と『中薬(中成薬)』=
『漢方薬』と『中薬(中成薬)』も紛らわしいですが違うものです!

『漢方薬』は,日本で確立された『漢方医学』にしたがって生薬を一定の規則により配合したものです。これは医薬品としてちゃんと承認されています。
ところが『中薬(中成薬・伝統薬製剤)』は中国などで発売されていますが、まったく品質・規格が異なっています。当然日本では医薬品として承認されていないものも含まれるわけです。

=ネットまたは海外旅行=
では、国内で未承認なのになんで腎障害が起こったかというと・・・『ネット』か『海外旅行先』で間違えて購入してしまったようです。

GWでの海外旅行でも気をつけてくださいね。

詳しくは厚生省のホームページ内の">医薬品・医療用具等安全性情報へどうぞ。


次ページでは漢方薬にも副作用?にせまります>>次ページヘ



=漢方薬にも副作用?INDEX=

1.『広防巳』で腎障害

2.漢方薬にも副作用

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