漢方ならではの診察方法・舌診とは
漢方では、古くからその人の第一印象や、声の調子、舌の状態、脈の感触などの身体の表面に現れる変化を細かく観察し、それによって身体のどの部分に疾患があるかや、病気の進行具合などを判断し、治療方法の目安としてきました。今回はそんな診断チェックの中でも、舌の状態でわかる舌診断(舌診:ぜっしん)についてです。「舌は全身の鏡」ともいわれている真相に迫ってみましょう!
【 INDEX 】
・舌診断でなにがわかるの?正常な舌って?⇒ p.1
・不眠やストレスをかかえている舌の状態とは⇒ p.2
舌診断でわかる心身の不調……胃腸の状態・心の不調等
舌は口ほどに物を言う? |
また、漢方では「舌は心(しん)に開窮する」といわれ、心の活動の異常が舌に出やすいとされています。ここでいう心も、心臓の血液を送り出すポンプの働きだけでなく、心をココロというように、精神活動にも大きな影響をあたえるものとされているのです。
なお、舌の状態は常に一定ではなく、体調によって変化します。まとめると次のようなことがわかります。
- 胃腸の状態
- 水分代謝の異常
- 血液の分布
- ココロの状態
- 病気の進行・深さ
- もともとの体質
- カラダの寒熱性など……
正常な舌の状態・舌の健康度チェック
毎日舌のチェックをしていると、その変化にも気がつくはず |
□ 薄紅色で、鮮やかなピンク色
□ 苔はうっすらと白くついている程度
□ 適度に潤っている
□ 程よい大きさや厚さがある
□ 動きが自由
なお、自分で舌チェックするときのポイントですが、コーヒーなどの濃い色の飲食物を食べていたり、キャンディーなどを舐めている場合は正確な舌の状態がわかりませんので、気をつけましょうね。また、抗生物質を服用していると舌が黒くなることもあるようです。
それでは次のページで、ストレスや不眠の舌についてご紹介しましょう。