2000年の歴史を持つ、東洋の知恵「漢方」。
「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉で知られている通り、
心と身体を一体のものと考え、
身体全体の病態や体質をとらえて診断をおこないます。
そのための大切な物差しが、「証(しょう)」という概念。
総合的な生体反応の性質を
「実証(じっしょう・闘病反応が強い)」
「虚証(きょしょう・闘病反応が弱い)」
の2つに分けて考えます。
こうした個人差を重視するばかりでなく、「肩が凝る」「なんとなくだるい」といったさまざまな自覚症状をも視野に入れた治療をおこないます。それだけに、身体のあちこちに複数の障害があらわれやすいお年寄りには、うってつけの治療法といえるでしょう。体質改善を図ることで、老化トラブルを防止することもできるのでシニア世代独特のトラブル解消にも役立ちます。漢方の知恵を知って、老化予防、介護トラブルに役立ててみませんか?
体質をチェックしてみましょう!
陰陽を知ろう
陰の人・・・寒がり・顔色が青白い・体温が低い |
陽の人・・・暑がり・顔色が赤い・体温が高い |
虚実を知ろう
虚の人・・・脈が弱い・おなかを押したとき、抵抗が弱い |
実の人・・・脈が強い・おなかを押したとき、抵抗が強い |
いずれにせよ偏りすぎはよくありません。バランスのとれた状態を目指しましょう!
●気血水は万全ですか?
漢方では、「気(精神や身体のエネルギー)」「血」「水(体液)」の
3つの要素がバランスよく保たれていなければならないとされています。
「気血水」のトラブル
気虚・・・だるい・疲れやすい・気力が起きない 気鬱・・・気分が落ち込む・頭が重い・のどがつかえた感じがする 気逆・・・のぼせ・冷え・動悸・発作性頭痛 血虚・・・皮膚の乾燥・荒れ・眼精疲労 お血・・・生理痛・筋肉痛 水滞・・・身体が重い・めまい・水っぽい鼻水など |
漢方を始める前に ・漢方薬局の薬剤師さんや、医師に相談のうえ服用しましょう ・お湯で飲みましょう ・副作用が起こることもあります。 服用の際は身体の変化を薬剤師や医師に伝えましょう ・飲み合わせに気をつけて。現在、飲んでいる薬があれば、 薬剤師や医師に相談を ・中国製漢方薬は、名前が似ていても日本のものと違う場合も。とくに民間薬や健康食品には未確認薬物も含まれていることがあります。 |
次のページでは各症状に効く漢方薬をご紹介します