ピルの作用について簡単に教えて!
卵巣をお休みさせます
現在主流なのは「低用量ピル」といってエストロゲンの含有量が少ない(50μg以下)のピルです。ただし、このピルは保険がききません。(保険は健康なヒトには適応されません。避妊は健康な人がするもので、病気ではありませんよね。ちなみにお産も保険はきかないってご存知でした?)また、低用量ピルにも色々な種類がありその中のひとつに「段階型ピル」というものがあります。「段階型ピル」について詳しく言うと、一周期の中でプロゲステロンが「段階的に」変化し、より自然の周期に近くなるといわれています。
ピルを飲むことによって体の女性ホルモンが増えると、脳は「自分の卵巣から女性ホルモンを出さなくていいんだ」と判断します。すると脳からでている卵巣を刺激するホルモンの量は少なくなり、結果、卵巣がお休み状態になります。当然排卵は起こらず妊娠もしないことになります。(その他、子宮内膜が妊娠しにくい状態になる、子宮に精子が入りにくくなるなどの作用もあるようです)
またピルは子宮内膜をあまり厚くせず、生理痛の原因の一つであるプロスタグランジンの量も抑えられるため、生理痛が軽くなる、月経量が減るという効果があるのです。(生理痛について詳しくは生理痛の原因と対策~月経をラクに乗り切るには 月経痛はどうして起こるの?をご覧ください)
その他、いろいろな副効用があるといわれていますが、これは次回お届けします。
参考:日本産婦人科学会 低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版) 平成17年12月
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