基本は、繰り返す胃炎・胃潰瘍ですが……
ピロリ菌感染の症状の基本は、繰り返す胃炎・胃潰瘍です。しかし、近年の研究では、胃がんとの関連も明らかになっています。 |
従来は、繰り返す胃炎・胃潰瘍の原因になると考えられてきましたが、近年の研究でさまざまな経路で細胞障害を起こすことが明らかになり、胃がんを引き起こす可能性があることもわかってきました。
ピロリ菌の有無は、従来は胃十二指腸内視鏡検査で胃粘膜の一部を採取してくることが必要でしたが、近年では尿素呼気試験や糞便中のピロリ菌抗原検査など体に負担の少ない形で検査ができるようになっています。
ピロリ菌は、除菌が可能です
ピロリ菌感染がわかった場合でも、ご心配は無用です。ピロリ菌の除菌の方法が、すでに確立されています。 |
一時的に、便がゆるくなったり、味覚の異常が起こったりと言った副作用が見られるケースはありますが、おおむね安全に行うことができる治療法です。ただ、成功率は80%前後であり、中には除菌できない例もあります。
また、最近では、乳酸菌や緑茶カテキンといった食品にもピロリ菌の増殖を抑える働きがあるということがわかってきています。しかし、実験室のデータのみで、ヒトでの臨床試験が行われていないこともあり、まだその効果については、コンセンサスが得られているわけではないのが現状であり、今後の、さらなる研究が期待されています。
いずれにしても、胃炎や胃潰瘍を繰り返しておられる方は、是非、健康診断を受けていただき、ピロリ菌感染が判明すれば、積極的に除菌治療をされることをおすすめします。
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