胃がん/胃がんの原因・症状・進行

ヘリコバクターピロリ菌と胃がん

最近、テレビや新聞でもよく目にする、ヘリコバクターピロリ菌。以前は、繰り返す胃潰瘍や胃炎の原因と言われていましたが、最近では、胃がんとの関連も指摘されています。

狭間 研至

狭間 研至

医師 / 癌 ガイド

大阪大学医学部卒。外科医の傍ら、現在、ファルメディコ株式会社ハザマ薬局の代表取締役をしております。外科医をしながら薬局運営を行っている経験から、病院の外での患者さんの悩みや行動を目の当たりにしております。医学的な情報を分かりやすく解説し、医療と患者さんの橋渡しを行っていきたいと思っております。

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名前はかわいいピロリ菌

ピロリ菌
最近では、テレビのCMなどでも目にすることの多い、ピロリ菌。名前は、なんだかかわいいのですが、実は、ちょっとした曲者です。
ピロリ菌。ピエロとペロリを掛け合わせたような、ちょっとかわいい感じの語感すらあり、一度聞いたら、なかなか忘れられない名前かもしれません。

日本人の約半数が感染しているという調査結果もあり、私たちには、もっとも身近な細菌の一つと言えるでしょう。

以前は胃炎や胃潰瘍の原因と考えられていた、このピロリ菌。最近の研究では、なんと胃がんとも関係があることがわかってきました。

今回は、胃の調子が悪い方、必見。ピロリ菌の実態についてお話します。


正式名称はヘリコバクターピロリ菌です

ヘリコバクターピロリ菌
何となく覚えてしまうピロリ菌という名称。正式には、ヘリコバクターピロリ菌と呼びます。
ピロリ菌と言うと何となくかわいいのですが、正式には、ヘリコバクターピロリ菌と呼びます。このヘリコは、ヘリコプターと同じで「らせん」を意味する言葉です。その名の通り螺旋状の形状をしていることに由来しています。バクターとは、バクテリアと同じ語源。そして、ピロリとは、ピロリ菌が発見された胃の幽門(ゆうもん)が、英語でpyrolus(ピロルス)と呼ばれることから来ています。

医学研究者の間で、19世紀から胃に何らかの菌がいることはわかっていたのですが、正式にピロリ菌が同定できたのが1983年で、まだ、発見から四半世紀という比較的新しい細菌と言えます。ちなみに、ピロリ菌を発見したオーストリアの医学者は、その功績によって2005年度のノーベル生理学・医学賞を授与されています。

次のページでは、ピロリ菌によって引き起こされる病気や治療法についてお話します。
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