妊娠すると出てくる湿疹は何?
妊娠すると体の調子が変わってきます |
妊娠中に、肌がカサカサしたり、手荒れがひどくなったり、湿疹が出てきたということはないでしょうか? 女性ホルモンの変化が肌に影響を及ぼします。
以下の湿疹は、出産後によくなることが多いのですが、再び妊娠すると再び出てくることがあります。
■妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)
妊娠すると、手足の外側や、胸やお腹、背中に細かい盛り上がった湿疹(丘疹と言います)が出て、痒みが強いです。大人のアトピーでみられる『痒疹』、『どう違う?大人のアトピー・子供のアトピー』で、写真にあるような湿疹です。
■妊娠性疱疹(にんしんせいほうしん)
湿疹が、水を持った湿疹で、環状に集まった水泡の周りに、赤い湿疹が見られます。いかにも、『水疱瘡(みずぼうそう)』のようです。原因は、妊娠によってホルモンが変化したためと言われています。『アトピーの合併症』であるヘルペスウイルス感染症の写真が、似ています。
■PUPPP(Pruritic urticarial papules and plaques of pregnancy)
日本語訳は無いのですが、妊娠中に出てくる「じんましん」のような湿疹です。妊娠の後期に発症し、初めての妊娠に多いと言われています。お腹を中心に、蕁麻疹のような湿疹が出てきます。『アトピーと「じんましん」の関係』でのじんましんの写真に似ています。
妊娠線に一致して生じる傾向があります。かゆみが強いのですが、出産後に消えます。
■シミ・ソバカス
妊娠するとシミが目立つようになります。顔などが黒くなってきます。これは、妊娠した時に増える黄体ホルモンという女性ホルモンがメラニン色素を増やすためです。メラニンは、皮膚を黒くします。出産後によくなることが多いです。
■ツメの変形
妊娠すると、貧血になることが多いです。貧血による肌への影響としては、ツメがスプーンのように曲がってしまいます。貧血は体にとってよくないので、ふっとなることがあるとか、顔色が白い場合は、血液検査で検査しておきましょう。
妊娠するとアトピーはどうなる?
個人差が大きく、妊娠すると、悪化する場合とよくなる場合があります。この点は喘息に似ています。アトピー性皮膚炎のガイドラインの悪化因子としては記載はありません。妊娠に伴うストレスで悪化する場合があると考えられますが、妊娠中に出てくる湿疹は、アトピーの湿疹に似ていますので、見分ける必要があります。次のページでは、治療方法についてご紹介します。