アトピー性皮膚炎/季節ごとのアトピー対策法

アトピーの治療vol.4 梅雨に向けてのダニ対策

これから、北海道を除いて梅雨の季節です。梅雨のときに注意すべき点を説明します。湿気も問題ですが、やはり、カビとダニに対する対策を考えましょう。ダニはアトピーの原因になります。まず、ダニから説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

【第1回】ステロイド
【第2回】食事療法
【第3回】スキンケア
【第4回】梅雨に向けてのダニ対策
【第5回】梅雨に向けてのカビ対策

アトピーの原因として、ダニやカビがあるということは「アトピーの原因」でも説明しましたが、今回はその原因の中でも、梅雨に注意したい「ダニ」についての詳細な対策法を説明します。

ダニとは?

ダニをどれだけ取り除けるかがアトピーにとっては大切
ダニは節足動物です。大きさは、1mm以下です。ダニはあらゆる所におり、種類もたくさんあります。特に家の中にいるダニは、ヤケヒョウヒダニ・コナヒョウヒダニが多く、他にもコナダニやホコリダニなどもいます。無害なダニもいますが、ヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニは、アトピーの原因の代表格で、「チリダニ」と呼ばれています。
家の身近にいる場所として
  • 人体や動物に寄生

  • 畳・じゅうたん・寝具を住みかにしている

  • 植物・土に住み着いている

  • などがあります
ダニの好む環境は一言で言うと、「多温多湿」。現在の住宅は、気密性や保湿性が高いため、ダニの好む環境ができています。そのために、ダニ対策は、どの家庭でも必要になると言ってもいいでしょう。


誰でも簡単に実践できるダニ対策

犬を室内で飼うときは手入れに注意
ダニを絶滅するには不可能ですが、身近にいるダニの量を減らすことは可能です。住まいからダニをできるだけ除去することが、アトピーから我が身と我が子をアトピーから遠ざけるため、ぜひ実践してみましょう。
ダニ(特にチリダニ)は50℃、20分間加熱すると死滅します。湿度60%以下では繁殖できません。
そこで、次のような対策をあげられます。
  • 通気をよくして湿気をとる
    →戸や窓を開けて換気をする
    →除湿器を使用する
    →天日干しや布団乾燥機などで、畳・じゅうたん・寝具から湿気を追い出す


  • 清潔に保つ
    →まめに掃除機を掛ける。1m2あたり1回20秒の時間をかけ、それを2回行うと完璧。難しいようであれば、掃き掃除でもまめにするとよいでしょう


  • 殺ダニ剤
    →使いすぎに注意。殺ダニ剤の使いすぎはダニだけでなく、人体にも悪影響を及ぼします。使用上の注意をよく読んで使いましょう。

  • もしペットがいれば、ペットに対するケア
    →ダニはペットに寄生するので、室内で飼っている場合、ペットの毛の手入れをして清潔にする必要があります。また、ペットの毛や上皮が家に残らないようにまめに掃除をしましょう。室外で飼っている場合でも、窓や戸からペットの毛や上皮が入ってきますので、まめに掃除しましょう

  • など
これからの梅雨の時期が、ダニが繁殖しやすい時期。しかし、ちょっとした対策でアトピーの原因を減らすことができます。ダニを減らして、アトピーも改善!そんな不快指数0な梅雨にしていきましょう。


豆知識
ダニ:昆虫ではなく、節足動物です。クモの仲間。世界で1万種類もありますが、日本の家屋では30-40種類といわれています。大きさは、1mm以下で、昆虫のような触角もなく、足も8本あります。なかには寄生したり、吸血・刺咬したりする種類もあります。よくペットにも寄生。



<参考リンク先>

ウルトラがいちゅう大百科(KINCHO)

ダニ(ウィキペディア(Wikipedia)

アトピー性皮膚炎(アレルギー体質)のハウスダスト(ダニ・カビ)対策

アトピー対策(アトピーネット アトピーに負けるな)
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