北海道旭川市の保健婦四人が「シックハウス症候群」とみられる症状で休職している問題で、同市は4月13日、四人が所属する保健指導課全体を民間のビルに緊急避難させることを決めました。
今回旭川市保健所で避難するのは保健指導課の課長以下約50人で、期間についてはまだ未定です。
総務省は「同症のために課が引っ越すのは聞いたことがない」としていますが、同課は「職員と市民の健康のためでやむを得ない。」と苦渋の選択のようです。同市は現在、庁舎内の空気を採取して化学物質の濃度を調査中と報道されていました。
突然の発症で、健康を害してしまった旭川市の保健婦の方々にお見舞い申し上げます。一日も早い快復を心よりお祈りいたしております。
これほどまでに問題になっているシックハウス症候群やシックスクール症候群。実は全て新造建築物の建設材料などから出される、化学物質に対する過敏反応の事です。
壁紙の接着などに使われているホルムアルデヒドやそれによく似た成分などが原因で、極微量であるにも関わらず過敏症反応を起こすものです。
新入生、新社会人などでこの春お引越しをされた人の中には、他人事でない方もいらっしゃるのでは?
例えば、新生活のために引っ越してきた所が新築のマンションだったり、新しい家具を購入した、または、新しく造られた学校への入学、転入、お勤め先が新たに造られた建物に移った、増改築があった、などの時には反応を起こす可能性があります。
体に現れる主な症状は、目の痛み・頭痛・頭が重い・吐き気・アトピー性皮膚炎・身体疲労・ストレス・情緒不安定などです。症状がどうして起こるのか、どうやったら治るのか、は原因物質を避ける以外、今の所は確実な対処法がありません。個人による差は大きいですが、原因物質を長時間、大量にあびてしまう事、体が疲れている、ストレスなどによる精神的な疲労などがあると比較的起きやすくなるようです。
では、どうしたら防ぐ事が出来るのでしょうか。
新たに環境を変えるのも方法ですが、新生活がはじまったばかりの皆さんにはあまり現実的ではありませんね。長時間、大量にあびないように窓を閉めきったりしないで換気をしたり、出来る限り体や精神的な疲れをためない配慮をする、くらいでしょうか。
建物の開放状態を続ける事で環境中に排出される化学物質は徐々に減ってきて、時間経過によって化学物質の量が減り症状もおさまってきます。あるいは空気清浄機(光触媒採用型、活性炭使用型)の使用でも効果的のようです。
からだの生理機能が、環境変化に伴いこれまでと変わっている可能性があります。気が付かないところで精神的な負担がかかっていたり、慣れない環境で体も疲れやすくなっています。このような時には、過敏症反応も起きやすくなっている事を理解しておいて下さい。