虫に刺されてかゆみや痛み、腫れるといった症状のため、毎年多くの方が医療機関を受診されます。その原因となる虫の中でも、ハチは夏になると活発な動きを見せるようになり、場合によっては重症アレルギー反応を起こす危険性もあります。50代以上の方、ハチに刺された経験のある方も多いのではないでしょうか? ハチを捕まえる罠とその注意点についてもご紹介します。


重症アレルギー! アナフィラキシーとは?

公園
いつもの公園、今年はハチが巣を作っているかも!
アレルギーはローマ数字を用いて(ここでは算用数字で示します)即時型と呼ばれる1~3、遅延型の4の4つのタイプに分類されます。
  • 1型(アナフィラキシー型):0~30分以内に出現
  • 2型(細胞障害型)
  • 3型(免疫複合体型、アルサス型)
  • 4型(T細胞依存型、ツベルクリン型):12~24時間で出現
ヒトの正常な免疫反応として、何らかの抗原への曝露があると、体内には免疫情報が記憶されます(感作「かんさ」と呼ばれます)。これを上手く利用したものがいわゆるワクチンです。例えばインフルエンザワクチンのように、前もって抗原を注射して体内の免疫細胞に情報を記憶させておくと、実際にインフルエンザウイルスが体内に侵入した際に速やかに排除することができるようになります。

ところが免疫情報が記憶され、もう一度同じ抗原に曝露(ばくろ)されたときに(原因物質に接触、さらされること)必要以上に免疫細胞が反応してしまうと、免疫物質が過剰生産されるなどの反応を起こすアレルギー反応となります。つまり、感作という一度目の抗原情報の記憶が生じ、二度目の曝露以降に初めてアレルギーは成立することになります(類似した抗原に対しては、初めての曝露であってもアレルギーが生じることもあります)。

アレルギー反応のうち、1型アレルギー反応は原因となる物質である抗原(アレルゲン)と接触すると、30分以内という短時間で反応を起こすことが特徴です。こうしたアレルギー反応はそれぞれ単独、もしくは複数の反応が生じることで、人体に影響を与えてきます。では、その反応の中でも、最も重篤な反応であるアナフィラキシー・ショックの症状を確認してみましょう。


アナフィラキシー・ショックの症状

即時型と表現されるように、原因となる抗原への接触から数分程度でも症状が現れるのが特徴です。初期症状としては気分不良や何となく体がおかしいという違和感、更に進行すると息苦しさ、のどがヒューヒュー・ゼイゼイという気管支喘息の発作のように異常な呼吸音、時には下痢もみられることがあります。重症な例では、血圧の低下を伴い顔面蒼白(そうはく)となり、更に状態が悪化すると意識消失、最悪の場合には死に至ります。


アナフィラキシー・ショックは1型アレルギー反応に分類されます。この他、1型アレルギー反応には花粉症や蕁麻疹などが含まれます。アナフィラキシー・ショックを起こす確率は1%未満とわずかではあるのですが、死に至ることのある危険なアレルギー反応です。


次のページではハチ毒に対するアナフィラキシーの検査と対処法をご紹介します。