アルファ=リポ酸
単にリポ酸とも言いますが、ビタミンのように働くビタミン類似物質です。特にビタミンB1と一緒になって体の機能を守ります。ビタミンB1もアルファ=リポ酸もいろいろな酵素と一緒になって(補酵素として)働いています。例えば、昔、軍隊に入った若者が大量の白米を食べて脚気(かっけ)になり、死亡することが多発しました。これがビタミンの発見に結びつくのですが、脚気は多発性神経炎として末梢神経障害も特徴でした。これはビタミンB1から作られる酵素の不足がブドウ糖から脂肪を作る経路を止め、神経を絶縁して保護するミエリン(脂肪を多く含むタンパク質)が十分に出来なくなるためと考えられます。
そして今、糖尿病末梢神経障害を改善するサプリとしてこのアルファ=リポ酸が注目されています。
糖尿病の神経障害もミエリンの損傷と考えられているからです。
アルファ=リポ酸は筋肉へのブドウ糖の取り込みを促進し、インスリンの効き目を強め、減量に有効という意見がありますが、まだ小規模の研究です。
サプリの副作用としては概ね問題がないようですが、インスリン治療の人は低血糖のリスクが高まるかも知れません。
一般のサプリメントとしては抗酸化物質として使われています。
クロム
クロムが血糖コントロールを改善するか、否かは相変らず論争が続いています。クロムが体に必要な微量金属元素であることは間違いありませんが、サプリで取る程不足しているかどうかが分からないのです。クロムをサプリとして取っている人の関心事は、腎臓への悪影響です。ちょっと心配ですね。
コエンザイム Q10
一般に体のエネルギーを高め、抗酸化物質として使われますが、これもビタミン様作用物質です。糖尿病との関連ははっきりしてません。血糖コントロールへの影響はないようで、糖尿病者の心臓を守るという意見もありますが、立証した論文はありません。
血栓防止薬のワーファリンや高血圧降下剤との干渉がありそうです。
ガーリック
アメリカの糖尿病者が一番多く使うサプリがガーリックという発表がありましたが、これは血糖よりも心臓のためのようです。ガーリックサプリと糖尿病の研究は意見が割れています。また、ガーリックサプリは多くの薬との干渉が指摘されています。例えば避妊ピル、シクロスポリン(免疫抑制剤)、肝臓で分解されるすべての薬、ワーファリンなどです。
マグネシウム
マグネシウムは心臓、神経、筋肉、骨、糖代謝、タンパク質合成etc、体にとって大切なミネラルです。そして糖尿病者の体では低レベルになりがちなのも分かっています。しかし、サプリとして取った結果では、これまた評価が分かれます。多くの研究ではマグネシウム・サプリは血糖に影響しませんでした。しかしマグネシウムが低レベルだとインスリンの分泌が減って、インスリン抵抗性が増すという研究もあります。
まだ、きちんとデザインされた研究がありません。
サプリとしての取り過ぎは明らかに害があります。他の薬との干渉もありますから医師との相談が必要です。特に高血圧薬のカルシウム拮抗薬との相互作用があります。
オメガ3 脂肪酸
すっかり有名になった魚などの多価不飽和脂肪酸です。糖尿病者がこのサプリに関心を示すのは、主に心臓病や脳卒中のような大血管合併症への予防のためです。
他のサプリよりもこれは多くの論文の分析があります。血中脂質の改善は有効でしたが、空腹時血糖値やヘモグロビンA1Cにはほとんど影響がありませんでした。
数値の改善が本当に心臓や脳の病気を予防するかどうか早く知りたいものです。
サプリは薬ではないので医師に相談しても、効くかどうかは医師だって判断できません。しかし、薬理相互作用やサプリの副作用の時の判断は大いに頼りになります。妊娠中、授乳中の女性、子供へのサプリだけは絶対に医師の指示に従いましょう。
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