供給エリア編:再開発エリアの供給が活発化
つくばエクスプレス線「つくば」駅前。新線開通によって価格の上昇傾向が見られる駅の一つ。塀の無い街並みでインフラが既に整っている。 |
特徴的なのは、商業施設などの生活インフラがマンション完成とほぼ同時期にオープンするケースが増えていること。街の完成時期が見えているため、住んでからの将来像が見えやすいのが、ここ数年の特徴と言えるでしょう。
こうした人気も相まって、再開発エリアの分譲用地の入札価格はターミナル駅周辺に限らず上昇傾向にあり、今後もこうしたエリアの物件はまだまだ魅力的かもしれません。
首都圏の供給エリアの郊外化傾向が強まる中、関西や地方都市は、中心市街地エリアのマンション供給が本格化しています。価格の上昇傾向は、首都圏と同じく強いようです。
首都圏の地域別マンション供給戸数推移(出典:国土交通省平成18年土地白書:不動産経済研究所データ)東京23区の供給シェアは減少傾向にある。 |
2007年のガイド注目エリアは、郊外の駅前開発
都区部の商業系立地は、既に地価上昇が顕著で相応の予算が無ければ手の届かない価格でしょう。2007年は、千葉・埼玉・神奈川といった郊外エリアでの駅前開発が活発化しそうです。千葉ならつくばエクスプレス沿線の「柏の葉キャンパス」駅の再開発、埼玉は、埼京線沿線の「武蔵浦和」駅前や「大宮」駅周辺、神奈川は引き続き「武蔵小杉」駅周辺と横浜市営地下鉄の日吉-中山間が開通予定で利便性が増し、パルコなどもオープン予定の「港北ニュータウン」内の駅周辺です。首都圏は、都心に限らず郊外エリアのターミナル駅周辺の生活利便性も高いので、通勤環境を踏まえながらエリアを検討するのもこういったマンションマーケットの中ではいいのではないでしょうか。
統計局発表の国勢調査の速報値によれば、平成12年から平成17年にかけて全国の持ち家率は61.1%から64.3%に上昇。都道府県別に見れば、東京都が47.2%(平成12年43.7%)、神奈川県が59.9%(平成12年55.8%)、千葉県が67.6%(平成12年63.9%)、埼玉県が67.8%(平成12年64.6%)で首都圏でも大きく上昇しています。10年後、20年後に想定した価格で売れるかどうかは誰も保証してくれないもの。住宅を購入するリスクと、購入から得られるリターンを慎重に考えながら、納得できるマンション選びをぜひ心がけてください。
次回の後編では、商品企画や構造などに係わるトレンドを紹介しますので、ぜひご覧下さい。