糖尿病/糖尿病の合併症(痛み・冷え・足の異常等)

糖尿病と足のケア(2) 日常の手入れ(2ページ目)

足のケアを挙げていくときりがありませんが、そんな時間はとてもないと思わないでください。髪をとかしたり、爪を切るのと同じなのです。要するに体のケアとして足もお忘れなくということです。

執筆者:河合 勝幸

日常生活の注意点

1.
靴。靴は足を守るものですが、足に合わない靴は足を傷つけてしまいます。神経障害のある人はシューフィッターのいる店で靴を選びましょう。大き過ぎても、きつ過ぎても危険です。また、足は夕方になるとサイズが大きくなりますから、靴を選ぶときは夕方にしましょう。靴を履くときは中に異物があるかどうかを調べる習慣を身につけること。

2.
靴下。素足は厳禁です。靴下の素材はアクリルと天然素材の混紡がムレないのでお薦めです。
足をしめつけないものを選び、色は「白」が傷の有無を見つけやすいとされています。

3.
やけど。糖尿病者の足は冷えやすいので、ついコタツやストーブで温めたくなります。
でも熱さに鈍感になるので低温やけどを起しやすくなっています。うたた寝をしそうなときは、ストーブ、コタツ、湯たんぽは避けてください。入浴の時も湯温を温度計で確めるか、手や腕で温度を確認してから浴槽に足を入れること。

4.
禁煙。タバコは肺ガンや心筋梗塞のイメージがありますが、喫煙は血管を収縮させて全身の血行を悪くさせます。一本のタバコが1時間以上も手足の末端の温度を下げてしまうことを知っている人は少ないでしょうね。糖尿病とタバコはとても危険な組み合わせです。

5.
清潔。手を洗うのと同じように足も丁寧に洗いましょう。足の裏や指の間もやさしく洗うこと。水虫も糖尿病者には難問なのです。ゆびの間の水分も丁寧にやさしくふいてください。ゴシゴシこすると皮膚を傷つけることがありますから。
足の皮膚の乾燥がひび割れなどのトラブルの元になることがあります。皮膚科でクリームを処方してもらいましょう。このクリームはゆびの間にはつけないように。

いかがですか?常識的なものばかりでしょう?
大切なポイントは異状があればすぐに担当医に連絡すること。足全体がほてって妙に血流が高まっているような時は、絶対に足に荷重をかけてはいけないような緊急のことがありますから、足の問題は決して先延ばしにしないことをご理解ください。糖尿病による足の切断は3,000件/年はありますが、その50~70%は予防できたものと考えられています。

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