うつ病/うつ病の原因・症状・セルフチェック

夏休みにも心の健康対策は必要なの?(3ページ目)

GWや夏休みなど、長い休みの後に心身の不調を訴えるケースは意外に多いもの。命に関わる心の病気が始まる事さえあります。楽しいはずの休暇に潜む問題点と、その対策を詳しく説明いたします。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

休暇後の不調はしっかりケア!

休暇中であっても、心身に負担がかかってしまうと、不眠やイライラ感、頭痛、腹痛など身体症状も出現しやすくなります。こうした症状は、時に、うつ病の初期である事があります。

うつ病の初期は日常で見られる不調と似ています。うつ病になると、頭の回転がスローになり、思考力、判断力が鈍ってしまうので、気分の落ち込みが深刻になっても、自分が病気であるとは思いにくいものです。また、うつ病のタイプには身体症状が目立ち、気分の落ち込みが身体症状の背後に隠れてしまっているものもあります。

しかし、日常で見られる気分の落ち込みは自然に回復しますが、うつ病では次第に重くなり、思考もうつ病のそれに切り替わっていきます。悲観的な観念や自責の念など、ネガティブな思考パターンに心が支配されてしまい、死にたい気持ちも生じやすくなります。自殺はうつ病の重大なリスクの一つですが、本人は自分が命に関わる病気にかかっている事に気づき難いのです。

もしも、死にたい気持ちが生じたら、うつ病の程度は重症であると考え、すぐに精神科、神経科を受診すべきです。

もちろん、休暇後にうつ病になってしまう事は大部分の方には無縁ですが、一時的に不調が生じる事は少なからずあるでしょう。最後に、休暇モードから普段モードへ潤滑に移行できるよう、うつ病など心の病気を近づけさせない為のポイントをまとめてみます。
  • 休暇中のお楽しみに過度の期待を持たない
  • なるべく独りっきりになるのは避ける
  • 予定は立てても、完璧な予定にはしない
  • 「あれもやる」「これもする」とがんばり過ぎない
  • アルコールの飲み過ぎや散財にはご注意
  • 休暇前にやるべき事はできるだけやっておきましょう
それでは、皆様、良い夏休みになりますように!


<All About関連>
  • 集中力が高まらない時はどうしたらよいの?
  • 死にたい気持ちから身を守るために
  • 気分が沈んだら何科を受診すればよい?
  • 意外なきっかけ? 幸せでうつ病になるとき
    うつ病の自己チェックはいかがですか もしかして私はうつなの?
    • 前のページへ
    • 1
    • 2
    • 3
    ※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
    ※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
    免責事項

    あわせて読みたい

    あなたにオススメ

      表示について

      カテゴリー一覧

      All Aboutサービス・メディア

      All About公式SNS
      日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
      公式SNS一覧
      © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます