皮膚・爪・髪の病気/水虫・爪白癬

お薬経済レポート 通院v.s.薬局の薬(水虫)(2ページ目)

ドラッグストアで売っている水虫の薬ってけっこう高い?病院にいくと保険が使えるけど、どっちが経済的なのでしょう?シュミレーションで比較してみる経済レポートです。

執筆者:赤堀 一仁

医療費自己負担分の解説

医療用の薬を手に入れる為には、診察や処方箋発行料、調剤基本料など、薬代以外の経費が必要になります。その合計の負担割合分が実際の支払う金額になります。これってよく解らない方がほとんどの事と思います。さまざまなパラメータが存在して確定した数字を表せないのですが、基本的なところで大雑把に計算してみました。おおよその目安として判断してください。


ケーススタディ

ケーススタディとして、医療費の自己負担が3割の人が、医療用医薬品の価格で最も高価な「塩酸ブテナフィン」と、最も安い「トルナフタート」のクリームを20g分を手に入れる事についてシュミレーションしてみましょう。

<病院・クリニック>
(水虫に関する処置にかかる費用)

    ・病院ではじめて診てもらう時(初診)
    水虫で、はじめて受診した時にかかる費用
    およそ1,500円以上

    ・2回目以降の通院(再診)
    経過観察で薬を出してもらう場合
    およそ540円以上


<保険調剤薬局>
(一般的に考えられる、薬剤料以外の変動)

    ・塩酸ブテナフィンを20g調剤してもらう場合
    平均615円程度

    ・トルナフタートを20g調剤してもらう場合
    平均225円程度


これらの組み合わせでトータルの費用がわかります。処置や情報提供などサービスの内容、かかった医療機関の施設規模や運営状態によって異なってきます。


計算してみよう

別の見方をすると、薬剤料抜きにトータルでかかる費用の合計は、初診で2,000円弱。再診の場合は1,000円弱が目安です。これに薬剤料(注3)が加わるので、60円-360円の幅でプラスアルファの費用がかかります。結局1,000円ちょっとからおよそ3,000円の間で20gの水虫薬を手にする事ができる計算になります。ざっくり言って2000円が目安になり、これはドラッグストアに売っている水虫薬一本の値段と同じくらいになるようです。


どっちがいいの

コストの面でみてみると、結局通いやすい皮膚科を探して通院するのがいいようです。初回はそれなりの費用がかかりますが、2回目以降は安くなるので通院を重ねる事でメリットが大きくなり、この理由からも通院を続ける理由になるかもしれません。そして何より、専門家による細かなケアサポートの元に水虫の治療ができる事が大きなポイントです。(注4)

一方ドラッグストアの薬は毎回初診でかかるのと同じくらいの金額が必要になってしまいます。「それじゃあドラッグストアで水虫薬を買うメリットはないの?」となりますが、通院している時間はないけれども、とりあえず同じ薬を継続していたい人にとっては便利な存在です。

更に、これまでもお伝えしています通り、成分によっては痒み止めなどの効果がプラスされたものもあります。局所麻酔薬などの成分は医療用の医薬品で使われる事は少ないので、このような成分が入った製品は薬局の薬でしか手に入りません。あながち「医療用医薬品がすべて」ではないようです。

この金額の差を、高いと見るか安いと見るかはあなた次第です。


まとめてみると

なにより、今はひどい症状を改善するもので、その後の根気強い治療が必要なのが水虫の治療です。長い目で見て通い続けられる所を選んで、とにかく辛抱強く治療を続ける事が大切です。そして、忙しい時にはドラッグストアの薬はどれを使ったらいいのかも相談しておいてもいいかもしれません。

そして、薬局の薬を使う場合でも、病院に行く必要はないのか?自分のタイプにあった製品はどれなのか?などをよく店頭の薬剤師と相談して、お気に入りを見つけましょう。

<ガイドのおすすめ>
そして、最初からは無理かもしれませんが、ある程度使う薬が決まってきたら少し大目に処方をしてもらえないか相談してみましょう。通院の回数が少し減る上に経済的にも更に安く抑える事ができます。

【注意事項】
注1:入られている保険の種類、公費医療費補助制度などにより個人差があります。
注2:院外処方箋発行のシステムではない医療機関のケースや初診料を別に請求するケースなどでは、会計計算が異なります。
注3:医療用医薬品はジェネリックと呼ばれる他社製品があり、値段も安いのですが今回のシュミレーションでは検討していません。
注4:医師の治療スケジュールや方針などによって、希望の薬や量が処方される事は、必ずしも全てのケースで実現するものではありません。

【計算方法】
今回計算に使った内訳は以下の通りで、水虫の診察に限って行われた場合による。この他に医療機関の規模など、紹介状の有無、処置/検査の内容によって異なる。()内は保険点数
・医院・診療所・クリニック
初診料(255)+顕微鏡検査料(34)+判断料(150)+処方せん料(69)
再診料(58)+外来管理加算(52)+処方せん料(69)

・保険調剤薬局
調剤基本料(21/39/49)+調剤料(10)+基準調剤加算(0/10/30)+薬歴管理料(17)+薬剤情報提供料(10/17)これらの組み合わせのうち、最大値(123)と最小値(48)の平均とし、これに薬剤料を加える。



【関連リンク】
水虫治療、ベストシーズン到来薬の働き(Chapter2.3)
アルコール綿で水虫の予防!
水虫治療には秋冬が勝負!from AllAboutJapan「家庭の医学」
水虫の話し
水虫情報一本勝負
水虫.com
水虫ちゃんねる
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます