皮膚・爪・髪の病気/発疹・蕁麻疹(じんましん)

「じんましん」の治療

アトピーによく合併する症状・「じんましん」。治療方法も、アトピーとよく似ています。特に痒みを抑える治療は共通する部分が多いです。薬の種類や「じんましん」の治療を詳しく説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

【第8回】アトピーと「じんましん」の関係に続くシリーズとして、今回は「じんましん」の治療法についてご説明しましょう。あまり知られていない薬の種類から、アトピー治療と似た治療法や生活上の注意点まで、ご紹介します。


じんましん原因を除く

「じんましん」の原因が分かるのならば、原因を除くことが一番!慢性じんましんは、非アレルギーの場合が多いため、原因を見つけるのはなかなか大変ですが、最良の方法です。「なぜ、じんましんが起こるの?」を参照しながら、自分のじんましんの原因を探してみてください。


薬による治療法

内用薬としては、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬・ステロイド薬があります。外用薬としては、抗ヒスタミン外用薬・ステロイド薬があります。それぞれの薬の特徴と役割について、ご説明しましょう。

■抗ヒスタミン薬
肥満細胞という白血球がヒスタミンを出します

かゆみを起こしたり、じんましんを起こす、ヒスタミンという物質を抑える薬です。「内服薬」を参照していただきたいのですが、副作用として眠気があります。車などの運転をする時には、避けた方がいい薬です。眠気の程度でも分けられますが、商品名は以下の通りです。
第1世代(眠気が多い):ポララミン・レクリカ・タベジールなど
第2世代(眠気を抑えた):ザジテン・アゼプチン・セルテクト・ゼスラン・
ニポラジン・ダレン・レミカット・アレジオン・エバステル・ジルテック・リボスチン・タリオン・アレグラ・アレロック・クラリチンなど

■抗アレルギー薬
アレルギーを起こすたん白質(IgE)を抑える作用があります。副作用は少ないのですが、効いてくるのに時間がかかります(内服薬を参照してください)。
商品名:インタール・リザベン・ソルファ・アレギサール・ペミラストン・オノン・キプレス・シングレア・アイピーデイなど

■ステロイド薬
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬で治らない場合に使用されます。肥満や感染症になりやすくなったり、高血圧などの副作用が問題になったりしますので、長期的な使用は避けるべきです。(内服薬を参照してください)

■胃潰瘍の薬
日本の保険医療制度では認められていませんが、胃酸を抑える薬が「じんましん」に効くという報告があります。特に、抗ヒスタミン薬と一緒に服用すると、効果的です。

■抗ヒスタミン外用薬
ヒスタミンを抑える外用薬です。赤みと痒みを抑えるために、「じんましん」の湿疹部分に直接塗ります。
商品名:オイラックス、ベナパスタ、レスタミンなど

■ステロイド外用薬
炎症やかゆみを抑える薬ですので、じんましんがひどい時に使用します。(ステロイドを参照してください)。じんましんの場合は、長期の使用は避けたいところです。



次のページでは、生活上の注意点と、アトピーとの関係をご紹介します。
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