どんな症状があるの?
腰痛、足の痛み、歩けないなど
代表的なのは腰痛、足の痛み、しびれ、歩ける距離が減るといった症状です。進行すると足の筋肉がおちてきて力がなくなってきたり、もっとひどくなると便や尿が出づらくなったり、しても残っているという症状がでたりします。「最近めっきり歩ける量が減ったなあ。前は何時間でも歩けたのにここ何年かは最寄の駅まで歩くのも大変になってきて・・・。2、3回座って休むか、腰をかがめて休めば歩けるんですけれどね。足全体が重くなってきてどうにも進まないんですよ。たまに右のお尻からふくらはぎにかけてピリッとした痛みがはしるし。そういえば右足全体がしびれている気もします。不思議なことに自転車ならいくらでも大丈夫なんですよ。もちろん腰はいつもなんとなく痛いですけど、これは昔からですからねえ・・・」
・・・なんていうのが脊柱管狭窄症の典型的な症状です。比較的特徴的なのが「腰をかがめて休むと歩ける」「自転車なら大丈夫」なのに「歩ける距離が減った」という症状です。
また、「背中をそっくり返ると足の痛みやしびれが強くなる」というのも比較的よく見られる症状です。
余談ですが、上の例での「お尻から足にかけての痛み」を「坐骨神経痛」といいますが、これは「お尻のところにある神経」=「坐骨神経」が痛むことなので、腰部脊柱管狭窄症の症状のひとつとしてよく見られます。(坐骨神経は脊髄神経の枝です)「頭が痛いこと」=「頭痛」と似たようなものだと思っていただければわかりやすいと思います。
どんな検査があるの?
診察、レントゲン、MRI
黒い球根の根のような形のものが「脊髄神経」 |
腰痛、足の痛み・しびれ、感覚の異常、歩ける距離、どんな時に症状が出現するか、悪くなるかが細かく聞かれます。また、腰を動かしたりして痛みが出るかどうか、筋力検査なども同時に行われます。
・レントゲン
主に骨の状態を見るために行われます。
・MRI
右の画像をご覧ください。腰の状態をよく見るために行われるMRI検査の画像です。(前頁の骨と神経の模型をあわせてごらんください)MRIがどんな検査かということについてはCT、MRIってなあに?へどうぞ)
横断面 |
腰部脊柱管狭窄症って全部手術になるの?
基本は保存療法
さて、どなたかが手術されたというニュースがあると、「必ず手術になるの!?」と心配されてしまうかもしれませんが、基本は保存療法(手術をしない方法)です。まず、お薬(痛み止めや足の血の流れを改善する薬)を使ったり、コルセット(腰を安定させる)、腰や足の筋肉を落とさないようにするリハビリテーションなどを行います。腰や足を暖めるのも効果的です。
それでも改善しない場合や痛みがひどい場合は神経ブロック注射を行う場合もあります。
保存療法を行ってもしない場合、また日常生活に支障をきたすほどひどい場合は手術となります。
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いかがでしたでしょうか。
腰に負担がかかるのは直立歩行する人間の宿命といってもいいと思いますが、なおのこと普段から腰に負担のかからない生活を心がけましょう!
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