アトピー咳嗽とは

聴診器を持つ医師

その咳、1ヶ月以上続いていませんか?

アトピー素因のある人が、痰のからまない咳を1ヶ月以上していたら、「アトピー咳嗽」の可能性があります。通常、咳は、気道に入ってしまった異物を外に出そうとして起こる体の防御機能で、「咳反射」と呼ばれます。咳が全く出ないようでは、異物が気道から入ってしまいます。

しかしこの「咳」をする感度が亢進しすぎて、ちょっとしたことで咳をしてしまうのが、アトピー咳嗽の症状です。本来なら咳の必要がない程度の状態でも咳き込むので、長い咳症状が続いてしまいます。

アトピー咳嗽の症状…喘鳴も痰もない長引く咳が特徴

  • 喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒュー)がない
  • 痰を伴わない咳嗽が8週間以上持続する
  • 今まで、喘鳴、呼吸困難がない
  • 咳は夜から早朝に多い
  • エアコン・タバコの煙・会話・運動・ストレスなどで咳が出てくる
  • アトピー素因(血液中の好酸球が多い、IgE値が高い、アトピー性皮膚炎などアレルギーの病気がある)
  • 咳感受性は亢進している(咳をしやすい状態である)
  • 呼吸機能検査(肺活量など)は正常
  • など
上記の特徴がある場合、アトピー咳嗽を疑って診断することになります。

アトピー咳嗽になりやすい人の特徴……女性・子供

アトピー咳嗽は中年の女性に多く、女性ホルモンの関係からか、特に閉経後に多いとも言われています。カビが原因になっている例もありますが、多くは原因不明です。もちろん、アトピー素因のある人は注意をした方がよいでしょう。

■アトピー素因の簡易チェック法
□アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患にかかったことがある
□アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患ももっている
□血液中の好酸球が多い
□血液中のIgEが高い
□ダニ、卵白などの特定の物に対してのIgEが陽性
□アレルゲン(アレルギーを起こす物質)の皮内テストが陽性

これらに該当する項目があれば、アトピー素因と考えて良いと思います。次に、アトピー咳嗽の治療法・対処法について解説します。

アトピー咳嗽の治療法・対処法

内服薬が治療の中心になります
治療は抗アレルギー薬が中心。「アトピーの治療 内服薬」でも解説しました抗ヒスタミン薬が中心になります。有効率は約60%です。

■抗ヒスタミン薬
第1世代(眠気が多い薬):ポララミン・レクリカ・タベジールなど

第2世代(眠気を抑えた薬):ザジテン・アゼプチン・セルテクト・ゼスラン・ニポラジン・ダレン・レミカット・アレジオン・エバステル・ジルテック・リボスチン・タリオン・アレグラ・アレロック・クラリチンなど

上記の内服薬で効果がみられない場合は、ステロイド吸入を行います。この点は喘息治療に似ています。喘息治療については、「喘息を治すには、どうする?」をご参照ください。

■ステロイド吸入薬:キュバール・フルタイド


咳症状が長く続く場合、喘息、咳喘息、今回解説したアトピー咳嗽など、様々な病気の可能性が考えられます。病院を受診し、正確に診断を受けることが大切です。

豆知識
呼吸機能検査:肺や気管支の状態と機能を見る検査。肺の膨らみを見る肺活量、気管支が狭くなっていないかどうかを見る1秒率を測定する。具体的には、息を吸って、吐く検査で、労力が必要。そのため、子供では検査しにくい。



■「喘息」関連記事
アトピーと喘息の関係
【第1回】喘息の原因って何?
【第2回】喘息を治すには、どうする?
【第3回】運動で喘息が起きるのはなぜ?運動誘発喘息
【第4回】ゼイゼイ言わない喘息症状? 咳喘息とは


■参考サイト
咳喘息とアトピー咳嗽(がいそう)(鎌倉市大船・山口内科)
「咳喘息(せきぜんそく)」と「アトピー咳嗽(がいそう)」について(中国中央病院)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。