運動誘発喘息とは……子供に多く、アトピーとの合併も

公園を走る男の子と女の子

スポーツの秋です。運動すると咳は出ませんか?

喘息の一種で、主に喘息を持っている人に多くみられます。名前の通り、運動後に喘息発作を起こします。逆に言えば、運動をしないと喘息は起きません。走り回ったり、階段を昇り降りしたりした時に、咳き込んだり、息が苦しくなったりしていないかを見てください。喘息以外のアレルギー疾患にも合併するため、アトピーで運動誘発性喘息になる場合もあります。運動誘発喘息の頻度は、小児喘息で63%、喘息以外のアレルギーの病気で41%です(Bierman 1975)。子供に多いのも特徴の一つです。
 

運動誘発喘息の原因

運動すると、なぜ喘息発作が出てしまうのでしょうか? 原因としては、
  • 気道の慢性炎症が残っていて、気道が過敏になっているため
  • 気道から運動によって熱が取られるため
  • 気道から水分が取られるため
  • 運動後の乳酸が関与しているため
  • 運動時の自律神経のバランスが悪くなるため
などが考えられています。
 

運動誘発喘息の検査法・運動負荷試験とは

エルゴメーター、つまり自転車漕ぎです
運動がきっかけで喘息発作が起きるかを見る必要があるため、検査では運動負荷試験を行うことになります。
  • 自由走
  • マスターダブル(2段の階段を上がったり下りたりする運動)
  • トレッドミル(よくジムにある、傾斜のついたベルトコンベアーのようなものを使った運動)
  • 自転車エルゴメーター(簡単に言うと自転車こぎ)
  • フリーランニング(走る)
などの運動を行います。

肺活量などの呼吸機能を測定しますが、運動誘発喘息の場合、運動してから5~10分後に呼吸機能が低下します。多くの検査の場合は、特に治療しなくても20~30分後に回復します。
呼気NOと呼ばれる炎症の示す値が高いことがあります。
 

運動誘発喘息の治療法……吸入ステロイド薬・内服薬を始め運動前の予防も有効

水泳は、喘息にも効果的です
基本的には、喘息の治療法と同じで、喘息発作を起こさないように長期管理薬を使って、喘息をコントロールする必要があります。吸入ステロイド薬を吸入したり、内服薬を服用したりします。普段の喘息のコントロールが良いと、運動誘発喘息は起こりにくくなります。詳細は、「喘息を治すには、どうする?」を参照してください。しかし、何よりも重要なのは運動前の予防です。喘息が起きにくい運動をすることは、体や喘息の改善にとってもよいことです。そして、子供の成長・発達においても運動は重要な働きをしますので、あまり制限しすぎないようにしましょう。

■運動誘発喘息の少ない運動を選ぶ
水泳・剣道・野球などがお勧めです。適切な運動を続けることで運動誘発喘息がよくなります。もちろん、喘息発作時には、運動は控えた方がいいでしょう。一方、冬季のマラソンは運動誘発喘息を起こしやすいです。スキューバーダイビングも要注意です。

■準備運動をしっかりとしておく

■インターバル運動を行う
運動と休憩を今交互に行う。十分に休憩を取りましょう。

■マスクをつける
気道からの水分や熱の喪失を防ぐために、マスクをすると発作が減ります。

■運動前の薬剤を使う
クロモグリク酸ナトリウム(インタール)・気管支拡張薬(サルブタモール、プロカテロールなど)の吸入を行ったり、喘息発作の原因となるロイコトリエンを抑えるロイコトリエン受容体拮抗薬(プランルカスト、モンテルカスト)の内服を行紙ます。

まず重要なのは、運動したときに喘息が出ていないかどうかです。もし運動誘発喘息なら、きちんと対策をとることで運動はできます。「喘息の子供は運動してはいけないの!?」もあわせてご覧下さい。

アスリートでは、アンチ・ドーピング機構における禁止薬と除外措置があります。喘息治療薬は、世界アンチ・ドーピング機構によって使用禁止になっている薬剤がありますが、治療目的や投与方法によって使用可能になります。その場合は、事前に、申請する必要があります。詳しくは、アンチ・ドーピング機構で確認しておきましょう。
 
豆知識
乳酸:筋肉に蓄積されたグリコーゲンがエネルギーに変わる時に生成。乳酸が筋肉に蓄積すると疲労感が出現。筋肉への血行が悪いと、乳酸の分解・代謝が遅く、疲労感が残る。
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