喘息の子供は運動してはいけないの!?

Q:うちの子供は喘息があり、 そのことを担任の先生に伝えると、「じゃあ、体育の授業は見学が多くなりますね」と言われました。普段は発作はあまりありませんが、走ったりしたあとにはぜいぜいがあるようです。その程度でも、体育の授業は休ませなければならないものでしょうか。どうやって判断したらいいのか、迷います。教えてください…。

A:お答えします。現在喘息に対しては優れた効果の薬が多く手に入り、喘息のコントロールは以前に比べて格段に進歩しています。喘息のコントロールがうまくいっておれば運動に当たって制限はなく、他の子供と同じように体育の授業も受けることが出来ます。ただし、それには条件があります。まずは運動と喘息の関係を理解しましょう。

運動誘発喘息とは

冬に外でする運動は要注意
冬に外でする運動は要注意
喘息患者さんは程度の差はありますが、運動をすると発作が起こりやすいものです。運動して起こる発作を運動誘発喘息と呼んでいます。

その種の発作は通常、運動を始めて数分で起き、運動を中止すると30分ほどで回復します。しかし中には運動を中止しても回復せず、重症の発作を引き起こしてしまうこともあります。

運動誘発喘息が起こりやすいのは、気管支が過敏になっているとき、つまり、喘息のコントロールがしっかり出来ていないときです。逆に言うと、日々のコントロールがきっちり出来ていれば、運動誘発喘息、と特別視する必要はないのです。ただし運動の種類、持続時間、気温と湿度によっても起こりやすさは違いますから、これは知っておく方がよいでしょう。
  • 運動が激しい、持続が長いほど起きやすい
  • 徐々に強度が上がる運動は起きにくい
  • 休憩時間を入れると起こしにくい
  • 気管支が乾燥したり、冷えたりすると起きやすい
起こしやすいスポーツはマラソン・サッカー・ラグビーなど冬に外で走るもの、起こしにくいスポーツは水泳・剣道など夏または室内で行うもの、それに瞬間的な運動です。

運動誘発喘息の予防策

もちろんコントロールをしっかり行うのが一番です。コントロールさえきちんとできれば、オリンピック級の運動にも発作が出ないようになります。喘息患者さんで有名なオリンピック選手に水泳のイアン・ソープさん、スピードスケートの清水宏保さんがおられます。こういう方々も、きちんと喘息のコントロールをすることで、普通の健康な人以上にすばらしい身体的パフォーマンスを見せています。

運動誘発喘息の予防薬として特別なものはなく、通常の喘息の治療薬を使います。定期的に使うものとしては吸入ステロイド・抗ロイコトリエン薬があります。また普段はほとんど発作がなく、運動したときに限って発作が出るような場合、定期的に薬を使うほどではありません。そのような場合、運動前に気管支拡張薬や抗アレルギー薬を吸入して発作を予防する方法があります。 薬を使う以外に予防の方法としては、以下のようなことがあげられます。
  • ウオーミングアップを充分行う
  • 運動中は鼻呼吸を心がける
  • 寒いときには室内の運動にする
  • 休憩をしっかり取る
以上のようなことに気をつけて、子供が安心して運動できるようサポートしてやりましょう。 *ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。
<参考リンク先>
アトピーでも運動会は大丈夫!(記事)
アトピーでもスキーは大丈夫?(記事)
喘息クイズ(ぜんそく大事点ブログ)
リウマチ・アレルギー対策(厚生労働省)
アレルギーガイドライン(日本アレルギー協会)
Zensoku.jp
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