肺・気道の病気/しゃっくり・横隔膜痙攣

しゃっくりの原因とその対策

しゃっくりが急に出てきて、困ったことはありませんか?しゃっくりの原因や止め方、その裏に隠れた病気まで、詳しく解説いたします

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

しゃっくりはなぜ起こる?

しゃっくり

誰でも経験するしゃっくり。実は予防をすることができます

肺と消化管の間、つまり胸とお腹の間に、横隔膜という膜があります。何らかの原因でそれがけいれんすると、声門のあたりの筋肉が収縮して、空気の通り道が狭くなります。その狭くなった部分を急に吐いた空気が通ると、短い音がするわけです。

ほとんどは短い場合で数分、長くても数時間で自然に治まり、身体への影響は少ないです。

では、しゃっくりの原因となる横隔膜は、なにが原因でけいれんしてしまうのでしょうか?

しゃっくりの原因、横隔膜がけいれんする理由

主に腹部からの刺激で横隔膜はけいれんを起こします。特に、胃に空気がたまることが影響を与えてしまうようです。

  • 早食い
  • 大食い
  • 辛い物などの刺激物を食べること
  • 飲み過ぎ
  • タバコの吸い過ぎ
  • 精神的ストレス

また、こうした原因だけでなく、病気の症状としてしゃっくりが出てしまうことがあります。

  • 胃がん、食道がんなどの消化管の腫瘍
  • 胃炎などの消化管の炎症
  • 肺炎、気管支炎、胸膜炎などの呼吸器の炎症
  • 気管支喘息などのアレルギーの病気

主に、横隔膜に近い部分の病気によって起こってきます。さらにアルコール中毒、脳腫瘍、脳出血、脳梗塞などの脳の病気によって横隔膜神経が刺激される場合などがあります。

しゃっくりの治療

しゃっくりの原因が病気である場合は、その病気を治療することが大切です。

通常は自然に治まりますが、長時間続いたり、出たり消えたりを繰り返す場合は、けいれんを抑えるクロナゼパム(リボトリール、ランドセン)、精神を安定させるクロルプロマジン(ウインタミン、コントミン)、消化管を安定させるメトクロプラミド(プリンペラン)を内服することがあります。漢方薬としては芍薬甘草湯があります。

しゃっくりの予防

しゃっくりの原因は早食い、大食い、飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎです。規則正しくバランスのとれた食事を、よく噛んで食べ、量は腹八分程度にとどめます。飲み過ぎに注意し、できれば禁煙しましょう。

しゃっくり対策

耳

人差し指を耳に入れると止まるかもしれません

予防が重要ではありますが、身近な民間療法もあります。ただし、この場合は個人差があり、必ずしもしゃっくりが止まるわけではありませんので、注意してください。

  • びっくりさせてもらう
  • 人差し指を耳に入れて30秒から1分待つ
  • 10秒かけて限界まで息を吸い、10~15秒息を止め、10秒かけて限界まで息を吐いて、5秒かけて息を吸ってリラックスする
  • 水を半分ほど入れたコップを手前でなく逆のフチから飲
  • スプーン1杯の砂糖をのどの奥に放り込む、または、甘いものを口にする
  • 舌をガーゼのようなもので包んで30秒ほど痛くない程度で強く引っ張る
  • 「豆腐は何でできているの?」「なすびは何色?」などの質問して、答える
  • 柿のへた5~10gを刻み、水300ccを加えて半量まで煎じ、煎じ汁を温めて飲む

などが言われています。一度は試しても良いと思いますが、効果については人それぞれです。

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