目の病気/白内障・緑内障

白内障Vol.3 白内障をどう治す?(2ページ目)

老人性白内障は、適切な治療により視力を回復できますが、その手術は保険適応にもなり、年々増加してきています。今回は、その手術を受けるタイミングや術後の注意点などを考えてみましょう。

執筆者:高林 克枝

白内障手術を受けるタイミング

白内障の進行を担当の眼科医の経過観察を経て、ある時点で手術を受けるタイミングを決める必要があります。今回は、日常生活で白内障の不便さや不快感、危険性を感じるポイント例をあげてみました。

  • 太陽の光や室内の蛍光灯がまぶしく感じるようになったとき。

  • 新聞、書籍などの文字が読みにくく、読むのに時間がかかりすぎたり、目が疲れやすかったり、内容が理解しにくくなる場合。

  • 運転免許の更新のために、視力検査にパスできないほど視力が低下してきた。

  • 夜間の運転時など、対向車の光などにまぶしさを感じて危険。

  • 夜間の外出時などに周囲が見えにくく歩行などが危険。

  • 視力が低下して、日常生活が不便、または危険。


    白内障手術後の注意・リスク

    <視力矯正>

    手術後は、裸眼でもよくみえるようになりますが、老眼が治ったわけではありません。ですから、ピントをあわせる調節力がほとんどないため、読書をする際や、遠くを見るにも眼鏡による矯正が必要になる場合もあります。

    また、眼内レンズがうまく適応しなかった場合、度数などの調整がうまくいかなかった場合などは、再度手術を行い入れなおすこともあります。

    <合併症>

    白内障手術で合併症が出ることはあまりありませんが、術後感染性眼内炎、眼内の出血、眼圧の上昇、網膜の腫れや剥離の発生が稀にあります。

    手術では、水晶体の後ろ側である後嚢と呼ばれる組織を眼の中に残しますが、手術後1~2年で、この部分が濁ってしまうことがあります(後発白内障)。この場合には、濁った後嚢にレーザー光線を照射して、光が通る通路をつくる治療が行われます。

    このように、比較的安全な白内障手術とはいえ、完全・万能ではなく、矯正器具が全くいらなくなるわけではないこと、再び手術が必要になる場合もあることをふまえた上、信頼できる眼科医に相談してください。

    監修:吉祥寺森岡眼科 森岡清史院長


    *All About健康関連リンク*
     <白内障シリーズ>
    【第1回】白内障とは?
    【第2回】白内障になりやすい人とは?
    【第3回】白内障をどう治す?

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