予防接種・ワクチン/肺炎球菌・Hibワクチンの予防接種

肺炎を予防するワクチン(2ページ目)

インフルエンザや風邪をきっかけに、肺炎を起こすことがあります。肺炎は様々な病原体が原因となりますが、その中でも肺炎球菌という細菌感染から身を守るためのワクチンがあります。

執筆者:吉國 友和

肺炎球菌ワクチンは全額自己負担!?

発熱
典型的な肺炎では発熱・咳・痰が出現します。症状だけでは風邪と区別がつかないことも
肺炎球菌ワクチンの有効性は約5年間続くとされています(5~10年間という説もあります)。2009年秋まで、国内では肺炎球菌ワクチンの接種は原則として1回だけとされていました。例えば50歳の人が肺炎球菌ワクチンを接種して、55歳ぐらいまでは肺炎球菌の感染を予防できたとしても、56歳以降はこのワクチンを接種できず、肺炎の危険性は同程度出現することになっていたのです。

この制限のせいで、接種のタイミングで悩まれる方が多かったようですが、2009年秋、学会からの働きかけによって、この制限が外されることになりました。医師に相談して、必要に応じて接種するようにしましょう。

また、肺炎球菌ワクチンは保険適用外となっています。例外として、何らかの病気のために脾臓を摘出した場合には保険が適用されるのですが、基本的には全額自己負担となるため、8,000円から1万円ぐらいかかってしまいます。


あなたが肺炎にかかる確率は?

2005年「国民衛生の動向(厚生統計協会)」によると、肺炎のために医療を受けた確率は(1日の受療率)、10万人あたり25人とされています。今一つピンとこないかもしれませんが、これは病気の中でも高い数値であり、いかに肺炎がポピュラーな病気であるかを示しています。

死亡率だけを見ても45~49才までの死亡数が10万人当たり1.6人であるのに対して、55~59才では6.1人、65~69才では21.4人と急激に上昇しています(75~79才では111.3人!)。受療率・死亡率ともに加齢とともに急激に増加することも明確ですので、50代を過ぎた方は、そろそろ肺炎球菌ワクチンの接種を検討してみてはいかがでしょうか。


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