「急性アルコール中毒」の死亡者は少ない?
急性アルコール中毒という病態は確かにあります。しかし、本当の意味での「アルコール中毒」で死ぬ事は稀です。アルコールの血中濃度で神経症状は変わりますが、病院に救急車で担ぎ込まれても意識がもどらないほど高濃度の人は極めて少ないのです。通常の宴会では量的に神経が麻痺するほどの量を飲む事はなかなかないため、アルコールを体内に取りすぎたことが直接の原因で死亡することは、あまり多くないといえます。
アセトアルデヒドによる嘔吐が危険
肝臓でアセトアルデヒドができます。 |
アルコールの一部は胃から吸収されますが、大部分は小腸から吸収され、肝臓に移ります。アルコールは毒性が強いと思われていますが、体の中で悪さをするのは、肝臓がアルコールを分解して作る「アセトアルデヒド」という物質です。このアセトアルデヒドが、心拍数を増加させ、嘔吐中枢を刺激をして吐き気を起こし、翌日の二日酔いを引き起こすのです。
重要なのは、アセトアルデヒドの上昇は、飲酒した直後ではなく少し遅れて起こるという事です。アルコール濃度の上昇とアセトアルデヒドの上昇の間が悪いと、楽しいはずの宴会で死人が出てしまうことになります。
宴会での死亡事故は嘔吐物による窒息が主
飲んだ後の吐き気に御用心! |
この時に体が麻痺状態で嘔吐すると恐いことが起きます。吐いた物が気道を閉塞して、窒息死してしまう事があるのです。嘔吐し始めた人がいたら、直ぐに介抱しましょう。介抱する人がいない状態で全員泥酔状態で、翌朝気がつくとメンバーが窒息死していたというニュースは絶えません。
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