老化を防ぐには、まず足腰を鍛えなくては――最近、リハビリ体操などに励むシニアが増えてきました。とはいえ、意外と見落とされがちな盲点もあります。それは「足」の健康。いくつになっても元気に歩ける暮らしを保つために、足について見直してみましょう!
「老化は足から」こんな言葉を聞いたことはありませんか?年をとると、歩行スピードは遅くなるもの。たとえば、60歳代の男性は1分間に平均80メートルの速さで歩くことができるとされています。ところが、90歳頃になるとほぼ半減。歩幅が狭くなるだけでなく、足を前に踏み出すタイミングも遅くなってゆきます。
ゆっくりとしか歩けないお年寄りにとって脅威となるのが、信号。「早く渡らなきゃ、赤信号になっちゃう!」と気はせくものの、なかなか足が前に出ません。焦って足がもつれてしまい、転倒、そして寝たきり――などという事態にもつながりかねないのです。こんなトラブルを予防するにはどうすればよいのでしょうか?
対策1・足のお手入れ
ウォーキングなどで足腰を鍛えることも大切ですが、もうひとつ実行してほしいのが、足のお手入れ。外反母趾やたこ、水虫、魚の目、むくみなどなど足のトラブルがあると、つい外出もおっくうになるもの。また、爪をのばしぱなしにしていたため、靴が当たって皮膚が傷んでしまうこともあります。
対策2・竹踏み
そもそも、年をとるにつれ足は変形してしまうもの。人間の足は、体重をバランスよく分散できるよう、土踏まずのあるアーチ型の構造をしていますが、靱帯や筋肉が衰えることで、この形が崩れてきてしまうのです。偏平足などのトラブルが起こっている人は「足年齢」が上っているといえるかもしれません。
変形を予防するのにもってこいの方法が、「竹踏み」。足裏の血行が促され、疲れがとれるばかりではありません。自然に足の筋肉が鍛えられ、バランスのよい足の形を保つことができるのです。
対策3・靴選びの見直し
窮屈な靴やハイヒールはなるべく避けたいもの。滑りにくく、軽いものがおすすめです。また、つま先はとがったものではなく、足の形にフィットする丸型や角型を選んで。足の甲が露出しているものはNG。安定感のあるタイプを選びましょう。
さていかがでしたか。「近頃、歩くスピードが落ちた」というご両親を持つ場合は、一度、足をチェックしてみるとよいかもしれませんね。
【参考文献】老化の予防がわかる本 鈴木隆雄著 技術評論社
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