運動と健康/リハビリ・介護予防

転倒・骨折はセカンドライフの命を縮める(2ページ目)

思いもよらず転倒し、骨粗しょう症によって病的骨折を起こしてしまうことがあります。骨折によって寝たきり状態に陥ってしまうことも多いのです。家庭内でいかにして転倒をしない環境を作るかを考えてみましょう。

執筆者:吉國 友和

転びやすい歩き方!

浴室前のマット
濡れると滑りやすい床とマット。しかも浴室前には大きな段差があり、このままでは転倒を招いてしまいます
ご高齢の方によく見られる、転びやすい歩き方というものがあります。ちょっとした例ですが、「シャーロック・ホームズ」のような探偵小説には、時に主人公が変装する場面があります。いかにして老人を演出するかという場合、次のようなポイントがあります。
  • 姿勢が悪く肩すぼみ、いつも地面を見て歩く
  • 歩幅は狭い
  • 足の上げ方が低い(極端な場合、すり足に近い)
簡単に表現すると、足首におもりをつけて歩いたときのような感じです。転ばないかと意識しすぎて地面ばかりを見て歩くと、こうした歩き方になりがちですが、かえって足先がちょっとした段差にひっかかって、転びやすくなってしまいます。反面教師として考えて、こうした姿勢で歩くのは避けたほうが無難です。他の人に後ろから見てもらって、ご自身がそんな歩き方をしていないかをチェックしてもらいましょう。他人の歩き方を見るのも参考になります。


バランスの訓練には家庭用ゲーム機も有効

高齢者では体のバランスが崩れてしまっていることも転倒の引き金となっています。どのぐらい、バランス感覚が保てているのか簡単にチェックしてみましょう。

目をつぶって、左右に手を広げて片足立ちしてみてください。若年者では30秒以上その状態を保つことができますが、バランスを崩してしまいがちな人は数秒も立っていられません。右足、左足と休憩をはさんで交互に行ってください。左右の時間にあまりに開きがあるようなら、仮に30秒間片足で立っていられたとしても、平衡感覚が崩れている可能性もあります。

こうしたバランスを整える訓練法は様々な方法が考案されていますが、現時点でガイドが有用だと考えているのは、家庭用ゲーム機の任天堂Wii®「バランスFit」を利用することです。遊び感覚のない単調なバランスを整える訓練ではすぐに飽きてしまいますが、ゲームとして楽しく行うことで長く継続できるからです。加齢による体力の低下を避けつつ、平衡感覚を取り戻すためには、長期的に続けることのできるトレーニング法が必要です。


転倒をきっかけに、寝たきり状態になってしまうことは稀ではありません。特に骨粗しょう症はその大きな要因ですから、できるだけ定期的な運動を心がけましょう。骨は毎日作り出されているものですから、今から行う運動やカルシウムは、将来の骨を作り出すための貯金です。

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