隠れた催眠効果! 緑茶のうまみ成分
茶葉には催眠効果のあるテアニンが含まれています
テアニンはお茶と一部のキノコに含まれるアミノ酸の一種。乾燥した茶葉の重量の1~2%を占め、アミノ酸の中では最も多く含まれています。緑茶やウーロン茶、紅茶など茶樹の葉から作られるお茶にはすべて含まれていて、特に玉露など上級なお茶に多いのが特徴です。
テアニンは、ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質の働きに作用し、血圧や記憶学習能力、脳血管機能を改善します。また、脳の抑制系神経を活性化し、興奮系神経を鎮めることで、寝つきを良くしたりぐっすり眠れるようにしてくれます。
睡眠の質を高めるテアニンの働き
テアニンは眠りも目覚めも良くしてくれます
若い健康な男性で行われた実験から、テアニンを就寝の1時間前に200mg摂取すると寝つきが良くなり、夜中に目覚めることが減るため、ぐっすり熟睡できることが分かりました。また、睡眠の効率が改善し、睡眠中の疲労回復がスムーズに進行して、起床時のリフレッシュ感をより強く感じるようになります。
睡眠に悩みが多い中高年女性がテアニンをとると、睡眠の質が良くなることも確かめられています。
いつも床に就いている時刻の1時間前に、テアニン200mgを摂取した中高年女性では、副交感神経の活動が睡眠の前半で有意に増え、逆に交感神経は睡眠期全体で有意に抑制されました。これは、客観的に睡眠の質が改善したことを示しています。さらに目覚めた時の疲労回復感が良くなることから、テアニンは睡眠に不満がある中高年女性の満足度を高める可能性があるようです。
昼間に取ればリラックスできる
テアニンにはリラックス効果もあります
日中にテアニンを摂取すると、夜とは違って覚醒水準の低下や眠気の増強は起こらず、むしろリラックス度が上昇することが分かっています。
これは、テアニンが摂取する時間帯によって、覚醒と眠気のバランスを適正なレベルに調整し、夜間は催眠作用を、日中は覚醒作用を発揮するためと思われます。ですから昼間にテアニンをとっても、作業能率が低下したりミスや事故を起こす危険が増したりする可能性は少ない、と考えられます。
お茶にはテアニン以外に覚醒物質のカフェインが含まれているので、就寝前には飲むことを勧められません。眠りを良くするためにテアニンを摂るのなら、直接お茶で摂取するのではなく、サプリメントを飲むのが良いかもしれません。