花粉症というと、ヒスタミンと抗ヒスタミンという話が、テレビの宣伝でもあるぐらいなので、そこに話が集中しがちですが、今回は、ヒスタミンではなく、食物が含む油の種類と花粉症の意外な関係に触れます。
花粉症の時期は、食生活にも注意を払った方が症状が軽くなります。
【油も花粉症の炎症に関係します】
花粉症は気道(鼻、のど)粘膜の分泌と目の涙の分泌が増加した状態です。粘膜でアミノ酸からできるヒスタミンがその病態(炎症)に明らかに関係しています。また蛋白質からできる物質も炎症に関係しています。もう一つ、油(脂肪酸)からできる物質も炎症に関係しています。
【花粉症を悪化させる油とは】
実は、花粉症を悪化させるのは必須脂肪酸です。必須脂肪酸からできる脂質の代謝産物は炎症を促進する方向に働きます。
必須脂肪酸は、リノール酸とα-リノレン酸です。アラキドン酸を含める事もあります。
▼必須脂肪酸の変化
・リノール酸→γ-リノレン酸→アラキドン酸
・アラキドン酸→プロスタグランジン類
(又はアラキドン酸→ロイコトリエン類)
プロスタグランジン類とロイコトリエン類は炎症を引き起こします。
花粉症からみると必須脂肪酸のリノール酸を多く含む植物性油が悪い油という事になります。
【花粉症を改善する油とは】
アラキドン酸→プロスタグランジン類・ロイコトリエン類を抑えるのが、花粉症によい油という事になります。ドコサヘキサエン酸(DHA)は、アラキドン酸からプロスタグランジンの生成を抑えます。同時に、ドコサヘキサエン酸は、アラキドン酸からの炎症に関係したロイコトリエンの産生を抑えます
花粉症を改善するのは、ドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含む魚の油です。なお、α-リノレン酸→イコサペンタエン酸(EPA)→ドコサヘキサエン酸(DHA)と変化します。
【花粉症には寿司を】
EPA、DHAを多く含むのは青み魚です。青み魚以外の魚もEPA、DHAを含んでいます。魚を多く使う食事の代表といえば、寿司(刺身)ですね。
花粉症に良い食事は寿司(刺身)という事になります。
寿司(刺身)には別の効能もあります。同時に食べるワサビには作用時間は短時間ですが、鼻づまりを一時的に改善する効果があります。
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