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どう防ぐ!? 家庭でできる残留農薬対策(2ページ目)

中国からの輸入食材中の殺虫剤が問題となっています。残留農薬を含む毒物に関して、有機食品以外で食品の安全性を高める方法を考えてみました。伝統的な漬け物と日本料理の下ごしらえがヒントになりそうです。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

漬け物は毒性を減らします!

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奈良漬けは食べ過ぎるとほろ酔いに!
食物に含まれている毒性の物質は様々です。天然由来のもの、合成されたもの、代謝産物などなど、細かく分けると一筋縄ではいきません。

また、水に溶ける水溶性の毒物と、水で洗い流すことが難しい親油性のものと、全く性質が異なるものがあるので、どんな毒物も完全になくせるようなシンプルな方法はないのです。

そこでせめてできる方法として、提言があります。家庭でできる野菜を安心に食べるために、漬け物を見直してみてはいかがでしょうか? 漬け物は塩分が多いのが欠点ですが、毒物を無毒化することができる、優れた加工食品なのです。

自然界での猛毒といえば、フグ毒がありますが、無毒化が難しいフグ毒も、実は糠漬けによって無毒化する事ができます。

奈良漬けのように酒粕を使う場合は、残留農薬のうち親水性のものだけでなく、酒粕が含むアルコールによって、親油性の毒性物質を抽出してしまう事も可能です。また味噌漬けは応用範囲が広い点が優れています。魚、肉類でも応用可能な伝統的な加工食品です。

日本料理の下ごしらえは残留農薬を減らす!

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話題のメタミドホスは水に良く溶けるんです!
「食品を洗う」というのも残留農薬を減らす方法の一つですが、親水性の残留農薬にしか効かないだけでなく、表面の毒物しか洗い落とすことができません。毒物をより多く抽出して、同時に分解または揮発させてしまえば、最終的な毒物の量は減少します。最後のその方法もご紹介しましょう。

オススメしたいのが、水を加えて加熱する調理方法です。加熱することにより水への成分の溶け込みを増加させます。沸騰させることにより、揮発性の成分の残留を少なくさせます。農薬の一部は、水に溶けやすく、揮発しやすい性質を持っているので、「ゆでる」という調理方法は有効なのです。

さらに、煮こぼす、下茹でする、あく取りを行う……といった一手間を惜しまない日本料理の下ごしらえ法は有効です。最終的に残存する量を減らす事が可能です。

家庭で少しでも安全な食生活を送るために、できることから実践してみてはいかがでしょうか?


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