◆酸味で食欲増進
梅と言えば、独特の酸っぱさが特長。これはクエン酸、クエン酸、りんご酸、酒石酸、コハク酸などが含まれているためで、それらが多くの薬効をもたらすと、古くからいわれてきました。
例えば、夏バテすると食欲も失せがちですが、酸味は唾液や胃液などの消化液の分泌を促し、食欲を増進させます。梅酒が食前酒として飲まれるのは、そのためです。 またクエン酸は、カルシウムや鉄分などの吸収を促します。
◆血流が悪くなると疲れやすい?
人間は、気温が高くなると、汗をかいて体温調節を行います。 この時、湿度が高いと汗の蒸発が妨げられ、熱が体内にこもって疲れやすくなります。 日本の夏は高温、多湿なので、夏ばてしやすいわけです。
汗をかいて体温を下げるために、皮膚表面の血管を広げ多くの血液を流すので、夏場はいつもより2~3割多く血液が皮膚の周辺に集まってきます。汗をかくためには、胃腸や筋肉への血液循環が不足して、食欲不振も起こります。そして汗をかいて水分が奪われ血液濃度が濃くなりがちです。
さらに現代の生活では、クーラーの効いた室内と、高い湿度や気温の室外との急激な変化についていけず、いわゆる「冷房病」になりやすく、ますます夏ばてがひどくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
近年、血流改善には、梅酒に含まれるムメフラールという成分が役立つのではないかと考えられています。ムメフラールは、生の果肉には含まれませんが、 梅酒の製造過程で、クエン酸と5-ヒドロキシメチルフルフラールが結合して生成されます。加熱して作られる焼き梅や梅エキスなどにも含まれています。
梅酒と言えば、通常はホワイトリカーで漬け込みます。でも最近、本格焼酎には血栓をとかす酵素「プラスミノーゲンアクチベータ」を活性化する働きがあることがわかってきました。ホワイトリカーではなく本格焼酎で仕込むと、より血行促進に役立つかもしれません。
こうしてみると、食欲増進+疲労回復+血流改善が夏ばて解消のキーワード。梅酒は、それらをクリアしている優れた食品というわけです。夏ばて気味の時は、ぜひお試しあれ!! もちろんアルコールですから、ほどほどの適量を楽しむことが肝心です。
1.青梅を軽く水洗いします。 2.ふた付の密閉できる容器に、青梅1kgに対し氷砂糖500g。本格焼酎1800mlを入れて、密閉して保存します。 *このとき焼酎を入れずに保存すると、糖分が梅のエキスをじわじわと引き出し梅ジュースになります。子どもにもオススメの夏ばてに効果のあるノンアルコールドリンクです。 3.十分に果実のエキスが出たら、氷水などで割っていただきましょう。1~2ヵ月後に果実を引き上げます。 *じっくり時間をかけて寝かせれば、より熟成されて、芳醇な梅酒ができます。 |
*ホワイトリカー=「甲類」に分類され、「新式焼酎」とも言われる。精糖過程の副産物である廃糖蜜や粗留アルコールを原料に、連続式蒸留器で蒸留してアルコール度数36度以下のもの。
*本格焼酎=「乙類」に分類されるが、1971年から本格焼酎とも表示される。芋や穀類原料に単式蒸留器で蒸留したアルコール度数が45度以下のもの。
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