注目したい国内債券ファンド
それでは、純資産30億円以上、運用期間3年以上の国内債券ファンドの中から、実績の優れた注目のファンドをご紹介しましょう。◆DLIBJ公社債オープン(中期コース)
組入資産の約4割は国債で守りの運用、約6割は社債で攻めの運用を行っており、平均格付けは「AA」と高めです。デュレーションは1~8年の間で調整、債券市場の動向にあわせ債券先物などでヘッジ取引も行います。過去の運用成績がカテゴリー内で安定して上位に位置している好実績ファンドです。設定日は1999年12月14日、信託期限は無期限。
◆SMT国内債券インデックス・オープン
日本の債券市場の代表的な指標であるNOMURA-BPI総合の動きに連動するインデックス・ファンド。組み入れ債券の8割近くが国債となっており、安定した値動きが期待できます。わかりやすい商品性からも投資初心者向き。信託報酬は0.3885%と低めで純資産も着々と増加傾向にあり、国際分散投資の一角に適しています。設定日は2008年1月9日、信託期限は無期限。
◆MHAM物価連動国債ファンド
日本の物価連動国債を主要投資対象とするファンドで、将来のインフレリスクに備えたい人の選択肢の一つになります。物価連動国債は元金や利息の額が物価動向に連動して増減する国債です(発行が平成25年度以降のものについては償還時の元本保証あり)。個人での購入は認められていませんが、投資信託であれば購入可能です。物価連動国債ファンドの基準価額は、物価が上がれば上がりますが、物価が下がれば下がることにご留意ください。設定日は2004年6月1日、信託期限は無期限。
◆日本公共債ファンド2020 (愛称:「ふるさと紀行2020」)
主に地方債に投資するファンド。地方債は発行元の都道府県の財政状況によって利回りやリスク度合いは異なりますが、比較的安全性の高い債券です。ファンドの満期日と投資する債券の満期を一致させるような運用(ターゲット・マチュリティー戦略)を行うので、満期が近づくにつれ安定した収益確保を期待できます。
設定日は2010年7月23日、信託期限は2020年7月6日。
◆ダイワ日本国債ファンド(毎月分配型)
国内債券ファンドのカテゴリーで最大の純資産を誇るファンド。投資対象は国債なので安全性は高く、最長15年程度までのものを組み入れます。満期までの期間が異なる債券を同じ金額ずつ均等に組み入れる「ラダー(はしご)型運用」で金利変動リスクを分散するしくみ。長く保有を続けることで安定的を収益を目指せます。設定日は2006年9月29日、信託期限は無期限。
金利上昇による値下がりリスクにご注意
安定した値動きが特徴の国内債券ファンドですが、今後アベノミクスによる円安や景況感改善でインフレ圧力が高まると、金利が上昇して基準価額が値下がりする可能性があります。また、日本国債は安全な投資先といえますが、一方で日本がGDPの2倍におよぶ債務を抱えていることも意識しておく必要があります。世の中には絶対安全なものはないことを肝に銘じ、できるだけ幅広い資産に分散しておくことを心がけたいものですね。【関連記事】
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