子育て/2~6歳の発育・発達

3歳児の成長ポイント!言葉や身体の発達段階

3歳児の成長と生活・育児のポイントを説明します。運動能力が発達して三輪車が上手にこげるようになったり、お絵描きやボタンのかけ外しなど手先も器用に。ここで紹介する発達段階はあくまで目安ですが、成長が遅いのではという不安があれば、3歳児検診で相談を。

高祖 常子

執筆者:高祖 常子

子育てガイド

3歳児の成長にみる発達段階と生活・育児のポイントは?

3歳児の成長と生活・育児のポイントは?

3歳児の成長と生活・育児のポイントは?

   

【からだのこと】乗り物のペダルをこげたり、お絵描きができるように

3歳になると、三輪車も上手に乗れるように

3歳になると、三輪車も上手に乗れるように

3歳児の平均身長、体重
平均値 3年0~6月未満 3年6~12月
男子身長 95.1cm 98.7cm
女子身長 93.9cm 97.5cm
男子体重 14.10kg 15.06kg
女子体重 13.59kg 14.64kg
(出典:厚労省「平成22年乳幼児身体発育調査報告書」)

1.3歳児の運動能力
3歳になると、以下のことができるようになります。
  • 片足立ちやつま先立ち
  • 片足ずつ交互に出しながらじょうずに階段を上る
さらに4歳近くになると、
  • 階段を一歩ずつ下りる
  • ペダルをこいで動かす乗り物を、自分で走らせる
など、行動のレベルが上がっていきます。三輪車などは、かなり早いスピードで走らせる子もいるでしょう。
また、手先が器用になるため、以下のようなこともできます。
  • 人や動物など簡単な絵をかける
  • ボタンをかけたり外したりがほぼ一人でできる
  • はさみをうまく使える
利き手がはっきりしてくるのもこのころ。左利きの子は、はさみやスプーンを左手で使います。日本人は9割以上が右利きなので、様々なものが右利きに有利にできていますが、ここ数年、左利き用の商品も充実し、手軽に入手できるようになりました。個性の一つとしてとらえ、「無理に直す必要はない」というのが今の考え方の主流です。

2.おねしょは自然と成長するのを気長に待とう
3歳では夜におねしょをする子もまだ多い年齢。夜だけパンツ型のおむつをつけたり、防水シーツを使うなどして「気にしなくて大丈夫」と、元気づけてあげよう

3歳では夜におねしょをする子もまだ多い年齢。夜だけパンツ型のおむつをつけたり、防水シーツを使うなどして「気にしなくて大丈夫」と、元気づけてあげよう

トイレトレーニングはほとんどの子が完成していることでしょう。それなのに、夜におねしょをしてしまう子は珍しくありません。年齢と共に少なくなりますが、5歳児でもまだおねしょをする子はいます。

おねしょは、膀胱の大きさと尿量のバランスが整っていないことや、ホルモンの影響を受けることなどが原因。本人の努力でどうにかなるものではありません。毎晩のように布団や衣類を汚されると、大変ですが、自我も芽生えてきて、一番傷ついているのは子ども本人です。叱っても、寝ているときのことですから、コントロールできるわけではありませんし、おねしょされたくないからと、夜中に起こすのは、成長ホルモンの分泌などを考えても、あまりオススメできないと言われています。

夜だけパンツ型のおむつをつけたり、防水シーツを使うなどして「気にしなくて大丈夫」と、元気づけてあげましょう。成長に従い自然になくなるので、あせらずにその時を待ちましょう。

下の子が生まれて、「赤ちゃん返り」のひとつとしておねしょが始まる子もいます。ママを取られてしまうという不安な気持ちの表れですから、できるだけ一緒に遊んだり、大切に思う気持ちを伝えるなどして、安心させてあげましょう。
 

【こころのこと】理解力が発達し、「なぜ、どうして?」が増える

3歳になると、記憶力と理解力が発達し、少し長いストーリーの絵本も分かるように

3歳になると、記憶力と理解力が発達し、少し長いストーリーの絵本も分かるように

1.少し長いストーリーもわかるように
記憶力と理解力が発達するのもこの頃です。絵本はますます楽しいものになってくるでしょう。
この時期は徐々に
  • 絵本のストーリーがわかるようになる
  • 少し長い絵本を好む
などの兆候があらわれます。
ヒーローやヒロイン、お化けや魔法の出てくるお話を読んであげると、物語の主人公になりきる「ごっこ遊び」に発展することがあるかもしれません。

もちろん、中には
  • 絵本に興味を示さない
  • ストーリーものは嫌いで、図鑑のような本ばかり熱心に見る
という子もいます。それも個性です。
日常的にママやパパが楽しそうに本を読む姿を見ていると、子どもも自然に絵本や本を身近に感じるようになることも多いようです。子どもが読みたい絵本を読んであげるのもいいですが、パパやママが好きな絵本を読んでくれるのも、子どもはうれしいものです。

2.「なぜ、どうして」の質問攻めに
なんにでも興味を持って、「どうして?」「なぜ」の質問が増えてきます。「どうして空は青いの?」「なぜ雨が降るの?」と、簡単には説明できないような難しい質問もたくさんしてきます。

頭を抱えてしまったり、「何度も面倒くさいな~」なんてパパやママもいるでしょうが、いい加減にごまかしたり、無視したりするのはよくありません。また、答えにくい質問でも、笑ったりはぐらかしたりするのもNG。質問自体がいけないことだと感じると、質問しなくなってしまいますし、それではせっかく芽生えた子どもの好奇心をつぶしてしまうことになりかねません。

忙しくても、質問にはできるだけその場で答えてあげるといいですね。わかる範囲でいいですし、わからないときは、「ママもわからないから一緒に調べてみようか」と、図鑑などを開いてみましょう。

3.おもちゃの貸し借りなど、少しずつ一緒に遊ぶのが上手に
  • 一方通行の「平行的な遊び」から「協同遊び(一定の目的のために、一緒に何かをつくったり、役割を決めてそれぞれが協力したり、調整したりして遊ぶ姿※)」へと移る段階
友だちに関心があっても、すぐにケンカになってしまった2歳児のころと比べ、おもちゃの貸し借りや、順番を待つことも少しずつできるようになって、一緒に遊べることも増えてきます。
まだまだ衝突は続きますが、トラブルの中から我慢することや許すことを学び、仲直りの仕方を自ら体得していきます。
  • 気持ちを伝えあうことができる
  • ケンカを経験し、トラブルを避ける方法や集団のルールを少しずつ覚える
言葉も発達するので、このように対人関係での成長も見られます。ケンカになっても、危険がない限りは、すぐに口を出してとめるようなことはしないで見守っていましょう。
友だちと遊ぶ楽しさを知って、人間関係を広げていこうとする大切な時期です。公園や児童館などに出かけて行き、同じくらいの年齢の子とたくさん遊ばせましょう。そういう環境がない場合は、幼稚園入園やお稽古ごとなどを考えるのも、一つの方法です。
 

【生活習慣】集団生活や公共の場でのルールも教えよう

集団生活にも適応しやすくなるこのころに、公共の場でのマナーも少しずつ教えていきましょう。どういう行動が人に迷惑をかけるのか、なぜいけないのか、機会がある事に、子どもの目を見てしっかりと説明します。
社会生活にはたくさんのルールがあります。
  • 公園などの遊具で遊ぶときは順番を守る
  • 電車やバス、病院の中などでは静かにする
  • 道を歩くときは右側を歩く
  • 信号を守る
  • 横断歩道を渡る
  • 公共の物を汚したり傷つけたりしない
  • 花や木をむしったり折ったりしない
  • 年下の子にはやさしくする
  • お年寄りには席をゆずる
人に接するときの思いやりの気持ちも少しずつ教えていきましょう。むずかしいことではありません。子どもはいつも親の姿を見ています。ママやパパが思いやりを持って人と接していると、その様子から、子どもは相手との関わり方を学んでいます。
 

【イベント】身長・体重計測や歯科検診、発達の確認など

身長・体重計測や視力・聴力検査、尿検査や歯科検診、言語や運動能力の発達の確認などを行います

身長・体重計測や視力・聴力検査、尿検査や歯科検診、言語や運動能力の発達の確認などを行います

3歳児検診は小学校就学前に行われる最後の定期健診です。身長・体重計測や視力・聴力検査、尿検査や歯科検診などを行います。また、運動能力や言語能力の発達状況も確認します。発育や発達の不安、心配なことなど、気になることがあったら、何でも相談しましょう。

【参考引用文献】
※『保育用語辞典』 一藝社刊 2006年

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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