「コンサルタント」職しか存在しないコンサルティング会社

コンサルタントの業種・職種・仕事内容

コンサルティング会社に所属する人は、すなわちコンサルタント

多くの会社では、会社の中に営業職、企画職、研究開発といった複数の職種が存在するのが一般的。しかし、コンサルティング会社の場合は、基本的には一職種、つまりコンサルタント職しか存在しません。コンサルティング会社に所属する人は、すなわちコンサルタントであるわけです。

ただし、もちろん経理や人事などの仕事をしている部署も存在します。経理・人事・広報・総務といった部署は、まとめて「バックオフィス」と呼ばれます。それに対して、コンサルタントは「フロント」と呼ばれます。

コンサルティングの営業は誰がするのでしょうか? コンサルティングという形のないサービスを営業することは難しく、実績を積んだ役員クラスのベテランコンサルタントがこの役割を担っています。

コンサルタント会社ではバックオフィスとフロントの分業が進んでおり、営業は役員クラスが行うため、若手のコンサルタントは、クライアント(顧客)へのコンサルティング業務に100%集中するのが基本です。

<目次>

コンサルティング会社の特徴は「プロジェクト制」

コンサルティング会社の組織図
コンサルティング会社の組織図
コンサルティング会社と普通の会社の働き方の決定的な違いは、「プロジェクト制」にあります。

コンサルティングプロジェクトは、ある特定のクライアント(顧客)の特定課題に対して、その都度期間と予算を決めてコンサルタントが解決にあたります。そのクライアントの課題に対して適切な経験をもったコンサルタントが社内から集められ、プロジェクトのためにコンサルタントチームが組まれるのです。個々のコンサルタントは、社内で受注したいずれかのプロジェクトに配属(アサイン)されて仕事をすることになります。そのため、固定した組織というのが存在せず、プロジェクトごとで働くメンバーも上司も異なるのが普通です。

プロジェクトが終了するとその時点でチームは解散し、プロジェクト期間中の上下関係なども解消されます。プロジェクト終了後、次のプロジェクトに配属されるまで、時間が空くことがあります。その間は社内研修を受けたり、次のプロジェクトの提案書などの作成を行ったりといった仕事が割り当てられます。そして新しいプロジェクトへが決まると、そのプロジェクトに参画するということになります。

上司がプロジェクトごとに変わるため、人事評価は関わったすべての上司の評定を考慮します。例として、1年に1度の評価の時期に上司がすべて集まり、メンバーの名前を1人ずつあげて昇進させるか否かの会議を行う、といった事例があります。

プロジェクトのメンバーとして参画する場合、プロジェクトの掛け持ちは原則ありませんが、ごく一部のファームではメンバーレベルでも掛け持ちする場合もあります。また、プロジェクトマネージャー以上のコンサルタントは、複数のプロジェクトを掛け持ちしてマネジメントすることもあります。

コンサルタントは、あるときは消費財メーカーのプロジェクト、あるときは飲料会社のプロジェクト、あるときは商社のプロジェクトといったように比較的短期間に多くのプロジェクトに参画でき、様々な業種の様々な業務を見ることができます。

コンサルティング会社で働くと、短期間に広い経験を積むことができるというのはこのためです。
 

コンサルティングのプロジェクト規模

コンサルティングプロジェクトの規模は、基本構想などの企画立案を少人数で行う場合は3~4人、業務改革などになると5~10人、大規模なIT導入などでは20~50人くらいになることもあります。

プロジェクト期間は、企画立案で3ヶ月くらいが一般的。業務改革などは6ヶ月から1年くらいのプロジェクト期間です。大規模なITの導入では1年~3年に及ぶことも。といっても、3年にわたるような大きなプロジェクトの場合では、プロジェクト責任者を除いてずっと同じコンサルタントが固定的に参加することは珍しく、数ヶ月単位でプロジェクトの進行に合わせて人が増減します。

コンサルタントは、プロジェクトのマネージャーからの指示で進行に合わせて、様々な作業が割り当てられます。あるときは調査やインタビューをしたり、あるときはデータの分析を行ったり、あるときは業務の定義やシステムの設計を行ったりします。固定的に行う日常業務というのが存在しません。

プロジェクト内でのコンサルタント同士の関係も、とてもフラット。1年目の若いコンサルタントであっても、意味あることを見つけたり、提案した人が結果的に認められます。できる人が高度な仕事をどんどんやって上司の仕事を奪っていき、一人前にできると認められれば昇進するというのが、コンサルタントの組織です。
 

プロジェクトの事例

いくつか具体的なプロジェクトの事例を紹介します。

■新コールセンターの基本構想立案プロジェクト
・期間3ヶ月、人数5名
・全国各地に位置していたコールセンターを集約し、集中センターを作るとともに、大幅なコストダウンと顧客サービスの向上を目指す
・目的、期間、投資額や効果の試算などの基本構想を立案

■基幹システムの導入プロジェクト 業務設計
・期間6ヶ月、人数10名
・業務革新の一貫として、会計と生産を統合するERPシステムを導入。業務フローの調査、パッケージとの適合性の評価を行い、システムの要件を定義する

■新規事業戦略プロジェクト
・期間3ヶ月、人数3名
・インターネット新事業の立案
・海外のビジネスモデルの調査、市場調査を行い、自社の強み弱みなどを考慮のうえ、ビジネスモデルの現実性をスクリーニング
・事業化に向けての課題の整理、収益シミュレーションなどを行う。
 

海外のプロジェクトにも参画できる

働く場所は、プロジェクトによって様々。自社で仕事をすることもあれば、クライアントのオフィスの一角に場所を借りて常駐することもあります。始業や終業といった基本的な働き方に関してもプロジェクト内で決め、どのくらい働くか、どのように働くかは、プロジェクトを率いるマネージャーの裁量が大きいといえます。

気になる出張などについてですが、日本全国にあるクライアントの会社まで出張することになります。世界中に支店を展開している外資系の会社では、日本人が海外のプロジェクトに参画する機会も。

ガイドの私が知っているあるコンサルタントは、入社後すぐにヨーロッパのプロジェクトに配属され、その後シンガポール、中東と各地のプロジェクトに参画。1年半ほど日本に帰ってきませんでした。もう1人のコンサルタントはずっと日本で働いていましたが、上海のプロジェクトに6ヶ月ほど参画して戻ってきました。

コンサルタントは、このように気軽に海外のプロジェクトに参画して、3ヶ月なり6ヶ月なりの短期海外体験をエンジョイするようなことも可能です。商社やメーカーの現地駐在員のように「現地に骨をうずめる覚悟」は必要なく、様々な国で働けるというのも、コンサルタントの仕事の大きな魅力かもしれません。

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