何のために広さや部屋数が必要なのかを考えなければなりません。「部屋数ではなく、収納がたっぷりあれば解決する」、「全体の広さが必要ではなく、リビングさえゆったりしていれば寝室はコンパクトでも十分」など、希望を細分化することで、あなたの満足度を高めることは可能です。
“大は小を兼ねる”、その通りです。広いにこしたことはありません。ただし、購入予算が潤沢であることが前提です。将来のために今、大金を投入するのか。将来のために今、投入資金を絞るのか。大切なポイントです。ライフプランの変化の可能性が高いシングルだからこそ、今、お金を投入し過ぎないことが重要です。
マンション価格を左右するもの
利便性の良い人気のエリアは高い!? |
少々狭くても最上階なら満足なのか、4LDKなら北向きバルコニーでもよいのか、あなたの求める条件に優先順位を決めなければなりません。予算が明確であれば、限られた予算の中で優先順位を満たしていけばよいのでスムーズです。間違った選択をしがちなのは、予算が不明確な場合や、将来の収支を試算せずに算出した見かけが潤沢な予算の場合です。
“今買える”からと必要以上の広さを購入し、将来の大事なお金を使ってしまうことは非常に危険です。シングルは、将来の不確定要素が多く、ライフプランニングもマネープランニングも大変ですが、短期と長期だけでなく中期の考え方を導入して考えてはいかがでしょうか。
今の必要と将来の必要
目の前で必要なものは、把握しやすいもの。まずは、現在のあなたの生活に必要な広さを考えます。同時に、今支払える住宅費(頭金や住宅ローン、管理費等)を把握します。
次に、5年から10年後の私の生活をイメージします。ライフスタイルはどのようになり、その暮らしにはそれくらいの広さが必要でしょうか。家計収支はどうでしょうか。収入は増えているでしょうか、支出はどうでしょう。
20年後はどうでしょうか?ライフスタイルはどのように変化していますか?ライフスタイルは自分が決めるものなので、「自分がどうなっていたいか」との問いかけの方がいいかもしれません。
5年後、10年後の自分を考えた際に、なりたい私に必要な広さが明確であれば、今、予算の範囲内で広めの住戸を購入することは充分考えられます。ですが、とくに広さは必要ない、との将来像が描けるならば、不確定で低確立なことに現在のお金を投入することは必ずしも正解とはいえません。
将来、本当に必要になったときのために、手元のお金を運用して準備しておくことも充分考えられます。ライフスタイルの変化の可能性が高いシングルだからこそ、貯蓄ができる余裕と住替えの余力を残しておくことを意識すべきだと考えます。
3000万円と1LDKと5000万円の3LDKで考えてみましょう。次ページをご覧下さい。