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企業の究極の目的とは何か ザ・ゴール

機械メーカーの工場長である主人公のアレックス・ロゴを中心に繰り広げられる工場の業務改善プロセスを主題にした小説。17年もの間日本での出版だけが認められなかった「幻の名著」。

中野 裕哲

執筆者:中野 裕哲

起業・独立のノウハウガイド

 ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
 著 者 :エリヤフ・ゴールドラット、三本木 亮 (翻訳)
 出版日 :2001/05/18
 出版社 :ダイヤモンド社




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本書はビジネス小説です。危機に瀕した工場の長である主人公は、3ヶ月以内にこれを立て直さなければ工場を閉鎖そして自分はクビを言い渡されます。

また奥さんは家を出て行ってしまいます。公私にわたってぎりぎりの状態に追い込まれるわけです。そこで彼がとった秘策とは?そして工場は蘇るのか?ビジネス書とは思えないスリリングなドラマが繰り広げられます。

そして読み終わると工場の改善の手法と、マネージャーの思考のプロセスがすっかり頭に入っているという仕掛けです。

例えば「ボトルネックが工場の製造能力を決める!」という基本原則を本書は次のように解説します

グループで山登りします。メンバーの歩く速度はバラバラです。できるだけ一人一人の間隔をあけずに山頂に到着するにはどうしたらよいでしょう?

答えは「遅い順番に、前の人を追い越さないように登る」ですよね。ではここで間隔=在庫、速度=生産量と考えると?

つまり最新のロボットを導入しても、プロセスの一部を改善するだけでは未完成品の在庫が増えるだけで工場の生産性はあがらない事がわかります。

一つでも部品が足りなければ、製品は完成しないからです。未完成品は売れない、つまりお金が入ってこないのです。かくしてどんなに努力しても、いや努力するほど在庫が増え、工場は貧乏になっていくというわけです。

まあ製造業を知っている人には当たり前のことばかりでしょう。原書は17年前に発行されました。当時日本のメーカーにやられっぱなしだったアメリカが日本に勝つための秘策をとして書かれたのだから無理もありません。

でも、基本を覚えたい人にはお勧めでしょう。また単純に小説としても楽しめる本です。500ページもありますが、あっという間に読めるはずです。

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