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税制調査会基礎問題小委員会レポート 相続・贈与新税の骨子案を発表(2ページ目)

税制調査会基礎問題小委員会の「相続・贈与税関係」説明資料をもとに、平成15年度に導入が期待される(仮称)相続時精算課税制度の概要をお伝えします。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

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◆適用対象となる贈与財産
  • 贈与財産の種類・贈与期間に制限はない。
  • 贈与金額・贈与回数にも制限はない。
    ⇒現在の550万円までの贈与の非課税制度は子供が住宅を購入するためだけに許された現金贈与のみが非課税の対象となっており、マイホーム以外の目的で利用したり、有価証券などによる贈与は除かれていました。
◆税額の計算方法
<贈与段階>
  • 制度の対象となる親からの贈与財産について、他の贈与財産と区別して贈与時に贈与税(軽減税率を適用)を納税する。
<相続段階>
  • 選択した子は、制度の対象となる親の相続時に、それまでの贈与財産と相続財産とを合算して計算した相続税額から、すでに支払った贈与税額相当額を控除。
  • この場合の相続税額は、従来と同じ法定相続分による方式で計算する。
  • 相続税額から控除しきれない贈与税相当額は還付。
  • 相続財産と合算する贈与財産の価格は贈与時の時価とする。
◆税率について
当該制度における贈与時の税負担は概算払いという性格を有することから、税率については一律または二段階程度の極力簡素な税率構造にする方向で検討されております。


わが国の相続税は各相続人が相続または遺贈(いぞう:遺言によって財産を他人に与えること)により取得した財産の合計を一旦、法定相続分で分割したと仮定して相続税の総額を算出し、それを実際の遺産の取得額に応じて按分する計算方法を取ります。そのため、相続時でなければ各相続人の正確な納税額が確定しません。

当該制度においてはこのような背景をかんがみ、毎回の贈与時に精緻な贈与税の累積課税を行うことはせず、相続時に限って累積課税を行うことで次世代への資産移転時期の選択についての中立性を図ることとしています。

住宅業界の活性化を足がかりとして、日本が元気を取り戻してくれることを切に願うばかりです。

注)以上の内容は平成14年10月21日現在のものです。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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