■ありし日の原風景を振り返る
大正12年(1923年)の関東大震災による罹災者の住宅対策事業実施機関として、国内外からの義捐金を基金とし大正13年に設立された同潤会。東京に13ヵ所、横浜に2ヵ所建設されましたが、ブティックなどが入居し表参道のケヤキ並木とも調和して、特に青山アパートはその存在感に大きいものがあります。
今は、もう目にすることができない“ありし日”の原風景
「新」と「古」が奏でるハーモニーの妙が若者を魅了してやまない
週末には多くの人々で賑わいをみせた
都会の喧騒(けんそう)に追われながらも、表参道のケヤキ並木に一歩足を踏み入れると不思議と心が和んだものでした。
行き交う人々の表情も、どことなく穏やかな印象を受けます。
同アパートが完成したのは昭和2年(1927年)。すべて3階建ての10棟からなり、総戸数は138戸。震災の教訓を生かした鉄筋造りにより、地震や火災といった危険に強い住宅としても人気がありました。
歴史的な建造物として建て替えを惜しむ声もありましたが、再開発工事はすでに始まっています。
【写真撮影】フォトグラファー 兼平 雄樹氏