その企業が対峙する問題・課題について考える!
さて、その企業は社会のどんなニーズにこたえることで利益を上げているのだろうか。 |
そんなに難しく考えなくていい。以下の順番で考えてみよう。
- お客様はだれか?
- お客様はどんなニーズを抱えているのか?
- お客様はなぜそんなニーズを抱えているのか?
【例:株式会社電通】
- お客様はだれか?
企業や団体。 - お客様はどんなニーズを抱えているのか?
自らのコンテンツ(商品やサービスなど)を宣伝・広報し、企業であれば業績を向上させたい。政府や地方公共団体なら対象者に正しく周知させたい。さらに宣伝・広報だけにとどまらず、自らのコンテンツに新しい価値を見出したい。 - お客様はなぜそんなニーズを抱えているのか?
少子高齢化や消費動向の変化といった生活者側の変化。事業のグローバル化、異業種間の新規ビジネスにおける提携といったクライアント企業側の変化。地上デジタル放送やモバイル、ITの進化といったメディアの多様化・デジタル化。
【例:株式会社エイチ・アイ・エス】
- お客様はだれか?
一般消費者。その他企業・団体(法人旅行など) - お客様はどんなニーズを抱えているのか?
安く海外旅行をしたい。もっと充実した旅をしたい。旅による非日常性から活力を得たい。未知の国や文化に触れて理解を深めたい。 - お客様はなぜそんなニーズを抱えているのか?
個人消費、燃油サーチャージ等の問題で、海外旅行が低迷。テロや紛争。海外市場を牽引してきた中国の不振。外国人旅行者の増加。少子高齢化。事業のグローバル化(業務渡航)。モバイル、ITの進化といったメディアの多様化・デジタル化(空席確認・即時予約・即時決済)。
以上のように、企業研究の第一ステップとして、その企業の存在意義をまず確認しよう。なぜその商品やサービスが必要とされているのかをまず押さえることで、志望動機の筋道が見えてくるはずだ。
論文執筆とまさに同じである。考えてみてほしい。論文を書くには論文のテーマ、すなわち「リサーチクエスチョン/仮説」が当然必要である。しかしそれ以前に「背景(動機・先行研究)」、つまり「その研究の意義」を説明しなくてはならない。
志望動機についても、ついつい商品やサービス、仕事内容ばかりみて作ってしまう学生が多い。それ以前に、なぜその企業は、そんな商品やサービスを生み出しているのか?という問いに答えられなくてはならないのだ。この「背景(その企業が対峙する問題・課題)」を押さえて初めて、その商品やサービスの特色や差別化は何か?、そして求める人材は一体何か?と繋がっていくのだ。
※次のページで、商品・サービスの特色について考えるコツを学ぶ!
※言うまでもなく、その企業が対峙する問題・課題は変遷する。よって、ニュースでその取り巻く環境の動向をチェックしないといけない。面倒くさいと思ってはいけない。意識さえすれば、自然にチェックできるようになるよ。ニュースが頭に入らないのは、ニュースを理解しようとする動機が曖昧だからだ。